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「…重たいですかね」
「うーん、…微妙なライン。」
ですよね〜、なんて言いながら視線を目の前のショーケースから隣にいる愛美さんへと移した。
人狼イベントの日、参加していた愛美さんを打ち上げの後自宅まで車で送った。その間色んなことを話すうちにお互いの踏み入った話までついついしてしまい、ポロッとお相手がいることを零してしまった。
正直大丈夫だろう、とは思っていたのだが。と言うより思っていたより食いつくネタだったらしく、そこからしばらく質問攻め。同業者だけど名前は伏せて。ただ誕生日がそろそろだ、ということを相談内容として告げたくらい。
「プレゼント、選ぼう。」
車を出て扉を閉めながらぼそっと残していった愛美さんに全力で動揺した後(「え!?待ってください!…行っちゃった。」をリアルでやった)、数日経って二人でウィンドウショッピングがてらと、現在、腕時計のお店にいる。
「時計は高いもんねー…、一年経ってないんでしょ?」
「はい…」
「お相手次第なんだよな〜。若い?年齢上?」
「………まぁ、上、です。」
「あー、じゃあ腕時計もありなんだけどな〜!」
これデザインいいんだよな!とさっきから二人でとある腕時計とにらめっこ状態。この値段なら余裕で出せる、と謎のエネルギーもわいてきたところだ。
「…ていうか、歳上なんだ」
「あーもうクチスベラシタ…」
「同業ならそのうち私も察するから大丈夫だよ」
「全くもって大丈夫じゃない…!」
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作者名:東城つばさ | 作成日時:2021年7月24日 0時