射手。１２話 ページ13
＊
詩乃と抱き合いながら泣いていると、コンコンコンと３回ノック音が訊こえた。泣いていない大輝がはーい、と返事をする。すると、勢いよくガラッと扉が開く。
「しーちゃん！！」
「ちょ、柚宇さん！」
「はっはっはっ」
「ゆっちゃん先輩、公平先輩、太刀川さん！」
ばたばたと病室に駆けこむように入って来たのは、あたしと唯我先輩以外の太刀川隊。息も乱れているし、髪も少しぼさぼさになっていて。先輩方がどれだけ急いで来てくれたかということが分かる。
大きい声を上げたゆっちゃん先輩を宥めるような言い方をした公平先輩も、いつものように見守るみたいに後ろに立っている太刀川さんも、あたしの自惚れじゃなかったら今ホッとした顔をしたから。……あたしがどれだけ先輩に迷惑をかけたのか、先輩方が心配して下さったのが一目で分かった。
「しーちゃんっ、良かったぁ〜っ」
「……ご心配かけて、すみません」
「謝らなくていいよ〜」
ゆっちゃん先輩の優しい声に、涙が止まらなくなって零れ落ちた。それを見た先輩も安心したように涙を流し始めた。……え！！？
「ゆ、ゆっちゃん先輩……？」
「２週間も起きなかったから、もうダメだって思って……！！」
「……すみません、」
謝らなくていいって言われたばかりなのに、また誤ってしまう。でも、こればかりは仕方がない。先輩方にこんなに心配をかけてしまったのだから。
「もう、お姉ちゃん謝りすぎ！」
「……じゃあ、俺ら失礼します。姉貴のこと、頼みます。詩乃、友紀行くぞ」
「「はーい」」
詩乃に一喝入れられる。ぐ、とあたしが言葉に詰まり何も言えずにいると、大輝が太刀川さんたちに頭を下げて病室を出た。あとに残ったのは、唯我先輩を除く太刀川隊。
ゆっちゃん先輩はさっきまで詩乃が座っていた椅子へと腰を下ろす。そして涙を拭い、持っていた鞄から赤いバインダーを出しそれを広げた。
「まずは私から。しーちゃんが寝てる間に今回の論功行賞があったからその報告しちゃうね」
「論功行賞……」
「うん。じゃあ、まずは特級から」
論功行賞。手柄の順に特級・一級・二級がある。全員が選ばれるわけじゃなく、功績を残した人に贈られるものだ。まぁ要するに頑張った人にボーナスあげるぞってこと。ボーナスはお金だけど、あたし達個人の順位を決めるポイントも貰うことが出来る。
大きな戦いなどがあった時に発生する論功行賞。やっぱり名誉なものだし、貰うことが出来たらうれしいだろう。
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受験生 - こんばんは、高校受験をあと一週間後に控えた受験生です。はい。なにやってんだ。勉強しなくちゃいけないのがわかってたけど、読み進める手が止まりませんでした。私も夢主みたいに乗り越えていきます。たくさん勇気を貰いました。ありがとうございました！！！ (2020年2月24日 22時) (
レス) id: 61c0c59d71 (このIDを非表示/違反報告)
岡本 珠理奈(プロフ) - いろえんぴつさん» そうなんですね！これからもよろしくお願いします！ (2018年8月1日 21時) (レス) id: 05e4939074 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - 私は１５年しか生きていない高1です。（笑） (2018年8月1日 20時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
岡本 珠理奈(プロフ) - いろえんぴつさん» ありがとうございます！はい笑、まだ１６年しか生きていない高1です……笑。コメントありがとうございます！これからもがんばりますね！ (2018年8月1日 18時) (レス) id: 05e4939074 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - 完結、お疲れ様です！！高校生だったんですか！？これからも頑張ってください (2018年8月1日 17時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：岡本珠里奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hsjkei1/
作成日時：2018年3月25日 18時
