キミとぼく (ページ44)

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海底のひかり 1 ページ44

ほとんど廉くんの独白
暗めのお話です

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ガシャンッ！！

俺の手からするりとすり抜けたスマホは、派手な音とともに地面に叩きつけられた。

「うわっ！！すごい音したけど大丈夫？」

「わーっ！廉、スマホ落としてんじゃん！」

優太と海人の叫び声で、さっきまでいたスマホが手の中から消えていることに気づいた。

「お前はすぐ物落とすんだから」

呆れ顔をした紫耀によって掬い上げられるスマホ。

その中にいる数分前の俺達には無数の亀裂が入っていた。

「画面バッキバキじゃん！」

海人の言葉で、この亀裂が妙に現実味を帯びた。

少し先の未来を物語っている気がした。

俺たちはいつまでも一緒にはいられない、たぶん...

俺と紫耀の秘密がバレる頃には、

顔も見えない渦に巻き込まれて

ぐしゃぐしゃになって

いつしかひび割れてしまうんだ。

「派手にやったね、廉」

スマホを取り、興味深い眼差しで眺める神。

「あ！カメラのとこも割れてるよ」

「ほんとだ～」

「これ、ちゃんと撮れんのか？」

戻されたスマホのカメラアプリを開き上を向く。

画面一面に広がるひび割れた空。

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