キミとぼく (ページ45)

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海底のひかり 2 ページ45

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ひしめく声によってひび割れた空には、

俺の声なんか届くことを知らない。

どんなに叫んでも、

すべての言葉が生をもつことなく艶やかに散る。

羽ばたくために少しずつ広げてきた羽も毟られ、

ひび割れた空さえ飛ぶことができない。

飾られた “ひかり” を纏う地上は灰色のまま。

色なんてないのに、

その上無数の針の雨を降らせる。

空にも地にも居場所がないなら、

いっそのこと誰か僕の頭上に海を撒いてくれ。

沈んでゆく魚とともに、

歪んだ太陽の “ひかり” を浴びていたい。

でも、紫耀には海の息苦しさを知らないままでいてほしい。

どこまでも続く青い空に守られて。

色とりどりの生をもつ地上を歩き続けて。

もし誰かの舵が紫耀の方を向いたなら、

俺がここから潮の流れを変えるよ。

君がいつまでも羽ばたけるように。

だから

誰か、海を撒いてはくれないか

僕の頭上に

沈んでゆく魚とともに

君を見守りたい。

いつか君に掬い上げられることを夢見ながら...

fin

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