キミとぼく (ページ37)

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開演前。

舞台袖に続々と集まってくるJrの子たち。

その中にはもちろん那須の姿もあった。

｢廉くん！昨日はありがとうございました！｣

｢おう！またいつでもおいで。｣

満面の笑みで挨拶する那須に、廉も変わらない笑顔でそう答えた。

そんな2人の掛け合いを見てると、なんだかイライラしてくる。

渡さないよ。

誰にも譲らない。

｢廉。明日って休演日だよな。今日、廉の家行ってもいい？｣

これだけ言えば、俺の廉なら分かるよな？

案の定、廉には伝わったようで、頬を少し赤らめて、｢おぅ...｣とぶっきらぼうに答えた。

俺の可愛い廉。

そんな照れてる姿も可愛いよ。

廉と俺の関係を口にすることはできないから...

代わりに、俺たちの会話を見せびらかす。

お前らには、伝わったか？

俺たちの間には、誰も入れないよ。

誰にも邪魔はできない。

廉くんと紫耀くんって、本当に仲がいいんですね！
なんて言ってる子もいたけど。

近くにいた美少年に視線を向ける。

昔から廉の事を慕っている大昇は、
口をあけて驚いてる。

廉が、かわいいと言ってた龍我は、
キョロキョロと目が泳いでる。

那須は...

これでもかってくらい大きく目を開いてる。

その瞳は衝撃と愁嘆を含んでいた。

賢い美少年には伝わったようだ。

俺たちの関係が。

この美少年の中の誰が廉のことを狙ってるのか知らないが、

もしかしたら他にも狙ってる人がいるかもしれないが、

誰が廉の事を狙ってようと

離さない。

渡さない。

廉はずっと俺の廉だから。

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