幼馴染との縁を切るにはどうすればいいですか？【リボーン/スピンオフⅡ】 (ページ10)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:16,185 hit

〃ページ10

尋ねると綾は違うと頭を横に振り「私は今月の18日だと返した。

「今月の18日ってもうすぐじゃないですか」

「そうなの！もうすぐなのよ！！」

いや自慢するところじゃないだろ、それ。

えっへんと胸を張る綾に私は内心突っ込む。にしても、と私はふと思った。綾の誕生日を初めて知ったからだ。

なるほど、覚えておこうと頷いていると綾は目を少し見開いた。

「あのユキ、もしかしてだけど知らなかったの？私の誕生日……」

まあ、そう言われればそうかもしれない。つか知らなかったも何も教えてもらってない。それに…

「綾のプライベートな話は聞かない方がいいと思いまして」

「つまり知らなかったのね！！？どーりで去年一昨年……いやその前から誕生日おめでとうの一言がないと思ったよ畜生！！」

「今知ったからいいではありませんか。今年から誕生日おめでとうぐらいは言えますよ」

「親友の誕生日ぐらい知っておこうよ」

「あーはいはい。すみませんでした」

「気持ちがこもってない！！！」

謝ればいいって問題じゃないから！！と叫ぶ綾を適当に遇らい「それはそうと……」と話を続けた。

「綾、結局今日は誰の誕生日なんです？」

「あー無視ですか。無視なんですね。泣きたいよ。グスン。もうユキが鈍いから答えを言うけど……」

「鈍いは余計です」

「答えは兄さんの誕生日だよ！！」

「……恭弥さんの？」

「そう！！兄さんの！！」

そういえば、と私は勉強机の一番下の引き出しを漁る。目的のものはすぐに見つかった。手に取り引き出しから出すと綾は何故か口角を引きつらせる。

「兄さんの誕生日は忘れていたのに誕生日プレゼントはあるのね」

「まあ。一週間前ぐらいに買ったものですが……」

視線を落とし翡翠色のリボンがラッピングされた紺色の箱へと向ける。

彼の欲しいものが分からず、たまたま立ち寄った店で買ったプレゼント。一目で気に入り思わず衝動買いしてしまったソレは箱の中でコトンと音を立てる。箱をそっと撫でる私に綾は苦笑いを浮かべた。

「ユキがくれるものなら兄さんはなんでも喜びそうだけどね」

「……そうだといいんですけどね…」

「大丈夫大丈夫！自信持って渡しに行こう！！」

ね？と私の肩を叩き素晴らしい笑みを浮かべる綾に私はため息を吐く

「ちなみに綾が渡してくれるという選択肢はありますか？」

「ん？あると思う？」

……ないんだろうな。

ニヨニヨと笑う綾に私は仕方なく近くにかけてある制服に腕を通した。