幼馴染との縁を切るにはどうすればいいですか？【リボーン/スピンオフⅡ】 (ページ5)

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そんな彼女にユキは何故かガーンとショックを受けた表情を浮かべた。

何故そんな顔をするとばかりに綾が眉を寄せると……ユキは恐る恐るに尋ねる。

「え、私達……友達じゃなかった、の？」

その言葉にピクリと眉が上下した後、何を言ってるんだとばかりに綾は眉間に皺を寄せる。

「は？なにそれ初耳なんだけど」

「え、えええ！？？そうなの！？？私、てっきり友達だと思ってた！！」

「いや赤の他人だったよね。私達」

「そ、そそ、そんなぁ！赤の他人！？？私達赤の他人だったの！？？な、なんで！あんなに一緒にいたのに！！」

「そう？君が一方的に話を振るから答えてただけだけど」

「う、ううぅ…いっぽーてき…いっぽーてき…かぁ」

まあ確かにいつも話をするのは自分だったけどさぁ。ガクッと肩を落とすユキをみて綾はふと兄の言葉を思い出した。

それは数日前に言われたある一言。

【君の世界は色付いた？】

(……兄さんが言った言葉。今ようやくわかったような気がする)

確かに彼の言う通りモノクロだった綾の世界は色付いた。彼女がいたから少し、ほんの少しだけ毎日が楽しくなった気がする。

そしてあのモヤモヤとした気持ちが彼女のいう“寂しい”という感情だというのなら……

「……それで」

ブツブツと俯きながら独り言を呟いているユキに綾が声をかける。その声にハッと我に返ったユキはん？と顔を上げた。

「君は私とトモダチになってくれるの？」

その言葉にキョトリとするユキだったが、やがて満面の笑みを浮かべもちろん！と元気よく答えた。

「といっても私はとっくに友達だと思ってたんだけどね！！」

「……あそ」

こうして二人は友達への第一歩を踏み出したのだった。

　＊＊＊

「今思えばその時が私のターニングポイントだったのかもしれないなぁ」

市街地へと沈んでいく夕日を眺めつつ、綾は呟く。と。ガチャリと何者かの手によって音を立て屋上の扉が開いた。

ん？と振り返れば、不機嫌そうに口をへの字に曲げた兄雲雀恭弥が入ってくる。

「……あれ？兄さん？」

どうしてここに？と不思議そうな顔をする綾にヒバリは何も言わずにギロリと一睨みする。

それで何かを悟ったのだろう。綾は口角を引きつらせ冷や汗を流した。

「あ、あのォ。兄さん？私、仕事をサボってたわけじゃ……息抜き。そう！！息抜きにきてたの！！」

「それをサボりっていうの知らないの？僕さっき言ったよね。机の上にある書類を事務室に届けろって」