498話です ページ10
それがボンゴレ10代目の風の守護者としての覚悟だ。
言い終わると恭弥さんはため息を吐き、持ってきた書類を机の上に投げる。パサっと束になっていた書類が机上に落ちた。
その種類にホチキスがしてあったからよかったものの、してなかったら机の上は大惨事なことになっていた事だろう。
全くそれを片付けるのは自分や私だというのに……
「……僕や綾に頑固だなんだと言ってるワケだけど君も中々も頑固だと思う」
「お褒めに預かり光栄です」
「別に褒めてないんだけどな……まあいいや」
しゃがみ込み、机に広がる書類を丁寧に集めトントンと整えると彼が席を立った。それにより頭上に影がさす。ふと見上げれば、彼の顔が真ん前にあった。
「……っ！？」
思わず尻餅をつき仰反ってしまったのは仕方がないと思う。その拍子にせっかく綺麗にまとめた書類が床の上で散らばる。けどその時の私は気付かなかった。
彼から距離を取るように手足を使って後ずさる私に恭弥さんは眉を顰めた。
「なんで逃げるの？」
「な、なんでって……それは…」
「それは…？」
顔と顔との距離が近くて昨日されたキスがフラッシュバックしたから……なんて口が裂けても言えない。
きっと今の私の顔は真っ赤になっていることだろう。それだけの自覚はある。何せ顔が熱いから。
出来る限り視界に入れないようにしていた彼の唇に自然と視線がいく。がハッとして目を逸らした。ダメだ、これ以上彼といたら意識してしまう。
ん？……意識？
意識ってなんの意識だ？彼と私は幼馴染の関係のはず。それ以上でも以下でもない。そう、幼馴染以上の関係ではないのだ。それだというのに何故私は彼のことを意識しなければならないのだろう。
グルグル。頭の中で思考が巡る。ああ、このまま考えても埒が明かないことぐらい分かっているのに……深く考えてしまう。
「ユキ？」
恭弥さんに名を呼ばれハッと我に返って彼を見る。彼は怪訝そうな顔をしていた。
「どうしたの？それは、の続きは？」
「あ、え、えっと……」
せ、折角忘れていたというのに何故思い出させるんだ！！
サッと再度顔に赤みが戻る私に恭弥さんはユキ？と名を呼ぶ。ああ、やめてくれ。そんな心配そうな声で名を呼ばないでくれ。つい答えてしまいそうになる。我慢、我慢だ、自分。話を逸らすんだ。
「あ、綾遅いですねー。どこまで行ったんでしょう」
「知らない。んで？続きは？」
綾の話題を出すが撃沈。それどころか一刀両断された。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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夜野兎(プロフ) - 逃亡者さん» 返信遅くなりすみません！！ここまで見てくださりありがとうございます！体の心配までしていただいて……恐縮ですっ、ありがとうございますっ。コメントありがとうございました！！ (2020年3月26日 18時) (
レス) id: 99e7c54c4d (このIDを非表示/違反報告)
逃亡者(プロフ) - 初コメント失礼致します。前から少しずつ読み、漸く追いつきました。大変面白く、続きが楽しみです。また更新出来る時に、気が向いたら更新してくださると嬉しいです。体調を崩さない程度に頑張ってください。 (2020年3月16日 20時) (レス) id: 3951c8a1b8 (このIDを非表示/違反報告)
夜野兎(プロフ) - ルイスさん» はじめまして！！返信おそくなりすみません……ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2020年2月15日 16時) (レス) id: 99e7c54c4d (このIDを非表示/違反報告)
ルイス(プロフ) - はじめまして!今日この作品を見つけいっき読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください! (2020年1月29日 23時) (レス) id: d4f9260aae (このIDを非表示/違反報告)
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