491話です ページ3
「……考え事？」
「はい」
ーこれでも君は僕のことを幼馴染だと言うの？ー
これは昨日の夜、恭弥さんに言われた言葉だ。
何故あの場でキスをしたのか、何故その後にああ言ったのか……考えても考えても理由は分からない。
他者に答えを求めてもよかったのではないか。そうも考えたが、やはり……これは、自分と彼の問題だ。私が解決しなければなるまい。
だが、彼の言動の意味を考えれば考えるほど、沼にズボズボはまっていくかの如く、分からなくなっていく。さてどうしたものか。
「……ふぅん、そう。詳しくは聞かないでおくけどそこまで深く考える必要があるほど深刻なことなの？」
「深刻……ってほど深刻なものではないかと」
ただ、ついつい癖で深く考えすぎてしまうのだ。いや、これを“癖”と呼んでいいのか分からないが……
「へー。じゃあそこまで深く考えなくてもいいじゃない？何事も気楽に行こうよ、気楽に」
「……は、はあ…」
「それに君の求める答えは案外近くにあるものだと私は思うけどね」
「……えっ。そ、それってどういう……？」
「さあ。あくまで私の意見さ。気にしなくていい。じゃあ私はもう行くけど…大丈夫だよね？うん、大丈夫とみた。じゃあ、また夜に会おう」
「えっ、あっ、まっ！！」
私の言葉を遮るとヴェントさんは言いたいことだけ言って窓から飛び去った。
気にしなくてもいいと言われても気になるわ！！
何故そう思ったのか理由を訪ねようと慌てて声を上げるも届かず手が虚空に溶け消える。
「……せめて、その理由だけでも述べてくれたらいいのに……」
全く、自由奔放な家庭教師だ、と私は小さくため息をついた。
＊＊＊
「おっはよーーっ！ユキーー！！」
教室に入った途端、むぎゅっと抱きしめられ視界が青一色に染まる。抱きしめられる寸前に聞こえた声と嗅ぎ慣れた香りに抱きしめた犯人の頭を押す。
「苦しいです、綾」
「あーごめんね？つい興奮しちゃって！！」
てへっと声に出して言う綾だが、その顔は決して照れたものではなかった。私をそっと離す綾の瞳はキラキラとしている。
「興奮って……」
何に対してですか……と言った後で後悔した。何を聞いてるんだ、自分。そんなもの考えるまでもないだろう。
私の推測が正しければ彼女は絶対に昨日の夜の
「そんなの決まってるでしょ！！兄さんがついに、ついに重い腰を上げ動き出したことさ！！」
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夜野兎(プロフ) - 逃亡者さん» 返信遅くなりすみません！！ここまで見てくださりありがとうございます！体の心配までしていただいて……恐縮ですっ、ありがとうございますっ。コメントありがとうございました！！ (2020年3月26日 18時) (
レス) id: 99e7c54c4d (このIDを非表示/違反報告)
逃亡者(プロフ) - 初コメント失礼致します。前から少しずつ読み、漸く追いつきました。大変面白く、続きが楽しみです。また更新出来る時に、気が向いたら更新してくださると嬉しいです。体調を崩さない程度に頑張ってください。 (2020年3月16日 20時) (レス) id: 3951c8a1b8 (このIDを非表示/違反報告)
夜野兎(プロフ) - ルイスさん» はじめまして！！返信おそくなりすみません……ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2020年2月15日 16時) (レス) id: 99e7c54c4d (このIDを非表示/違反報告)
ルイス(プロフ) - はじめまして!今日この作品を見つけいっき読みしてしまいました!これからも更新頑張ってください! (2020年1月29日 23時) (レス) id: d4f9260aae (このIDを非表示/違反報告)
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