464話です ページ6
「……さて。ライト。今まで騙しててごめんね」
ホテルの一室。ネフライトが借りている部屋にて、ヴェントの開口一番に出てきたのは謝罪の言葉だった。
ヴェントと対峙するように座っているネフライトは少し眉を寄せながらヴェントを見つめている。
「……別に謝って欲しいわけじゃないぐらい師匠の貴方ならご存知のはずでは」
「まあそうだね。けど謝っておきたかったんだ、どうしても」
「……もういいでござるよ。謝られるのは飽き飽きだ」
「そうだね。じゃあ少し昔話をしようか」
ぶっきらぼうに返すネフライトに苦笑しながらヴェントは昔を思い出しながら一つ一つ語った。
あの日の夕方。ヴェントはネフライトの母に頼まれ、外れの町までお使いに出てその場には居合わせていなかった。
なので帰ってきた時には既にネフライトの両親は血濡れて倒れていた。
そうヴェントは言った。
「……犯人は見ていないのでござるか？」
ネフライトの問いかけにヴェントは一言。
「見たよ」
「じゃあ一体誰が……」
「君からしてみれば到底信じられない人物だろうけど……────」
ヴェントが犯人の名前を口に出した瞬間、ネフライトは大きく目を見開いた。そしてふと頭に過る昔の記憶。
「ま、さか……そんな。そんなこと……だってあの人は誰にでも優しくて、お母さん達を殺すような人じゃ！！」
「でも事実だ」
「信じられるわけ……」
「だから言ったろ。君からしてみれば到底信じられない人物だろうと」
「でも、そんな……」
「別に信じてくれとは言わないよ。けどこれだけはわかってほしい。私は君に真実を話すと言った。だから今言ったことに嘘偽りはない」
だって。そんな。繰り返し言うネフライトにヴェントは窓から射し込む月光を見る。それから少し重い沈黙が流れた後、ネフライトは俯いていた顔を上げた。
その表情は少し複雑そうだったが、瞳は何か決意を宿していた。
「信じる。貴方の。いや、師匠の言ったこと」
「そう。それは良かった」
ふっと笑みを浮かべるヴェントは自身の手に炎を灯すとポンッと音を立て姿が少女から赤ん坊へと変わる。
「……師匠、その炎は？」
「秘密。でもいつか、きっと知ることになるよ」
じゃあまあ明日。そう手を振ってヴェントは窓から飛び降りた。彼女を最後まで見送った後でネフライトは小さくため息を零したのだった。
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夜野兎(プロフ) - さにー☆彡さん» コメントありがとうございます！！いえいえこちらこそ返信遅れてすみません！！はい、これからも頑張ります！！ (2019年5月12日 7時) (
レス) id: 3e9e57d427 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 続編おめでとうございます！！お祝い遅れてごめんなさい！！いよいよリング戦も佳境に入ってきますね！これからも頑張って下さい！！ (2019年5月9日 7時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜野兎 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2019年5月5日 0時
