461話です ページ3
「何故今このタイミングで。どうして過去の記憶なんか思い出してしまったのか。そんなことばかり考えている暇なんてないんじゃないの？」
ヒバリの言う通りだ。確かにここでうじうじと考えている暇などない。やるべきことがある。
風戦が終わった今、次の試合は霧の守護者戦。だというのに未だにこちら側の霧の守護者はわからないままなのだ。
当日になってからのお楽しみとリボーンは言っていたが、果たして本当にその当日に霧の守護者は現れるのだろうか。
今のところ勝敗は3勝2敗。しかし雷戦の時に大空のリングも取られているので、3敗している。次の試合とその次の試合に勝てばこちら側の勝ちは確定する。
何としても勝たなければならない試合だ。とここまで考えてふと疑問に思った。彼は次の試合を観戦するのか、と。
聞いてみると彼は頭を横に振り、行かないと言った。
「その前にあのムカつく跳ね馬を咬み殺さなきゃいけないからね。試合には綾を向かわせるよ。アイツ暇そうだったからね」
暇じゃないもん！！睡眠という大切な仕事がぁという綾の嘆きがどこからか聞こえたような気がした。
「そうですか」
「何？寂しいの？」
「そういうわけでは！！」
「なんだ。つまらない」
その割には彼はつまらなそうな顔はしていなかった。全くとユキは小さく息を吐く。
……でも自分は彼のことを勘違いしていたみたいだ。
ずっと自分のことが嫌いなのだと思っていた。ユキを見るたびに彼はいつも不機嫌そうな顔をするからだ。
でもそれは何かしら理由があるのかもしれない。それに君という存在自体なんかムカつくと言われたことはあっても君が嫌いだなんて言葉言われたことなど一度もなかった。
だというに自分は彼は自分のことが嫌いなのだと決めつけて彼のことを知ろうとはしなかった。
しかしそれが勘違いだとわかった今、その考えを改め、少しずつ自分の方から彼に歩みよろう。そうユキは考えた。
「何いきなり」
ユキの一言に訝しげな顔をするヒバリ。心の中で言ったつもりが声に出ていたようだ。
ユキはいえ、と頭を横に振る。
「いえ。ただの独り言ですのでお気になさらず」
「そう？」
「そうです。恭弥さん、ありがとうございます」
「何が？」
「色々です」
自分を励ましてくれたこと。本当はそう言いたかったが彼の性格上、励ましてなんかいないと言われるだろう。何せ彼は素直ではないから。
彼は不思議そうに首を傾げていたが、ユキはただ笑っていた。
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夜野兎(プロフ) - さにー☆彡さん» コメントありがとうございます！！いえいえこちらこそ返信遅れてすみません！！はい、これからも頑張ります！！ (2019年5月12日 7時) (
レス) id: 3e9e57d427 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 続編おめでとうございます！！お祝い遅れてごめんなさい！！いよいよリング戦も佳境に入ってきますね！これからも頑張って下さい！！ (2019年5月9日 7時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜野兎 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2019年5月5日 0時
