125話です ページ29
パチリと少女は目を覚ました。
そこは見覚えのない広い空間。倉庫とも廃墟とも、何処かの工場跡地とも取れるような場所で少女は突っ立っていた。
「？」
少女は自身の服装を見る。幼稚園でよく着る水色の服に薄ピンクのスカート。黄色い帽子を頭に被っている。
パチリ。と綺麗な翡翠色の瞳が驚いたように瞬きを一つ。どうなら何故自分がここにいるのか、わかっていないらしい。
キョロキョロと辺りを見回す少女。その度に鎖骨あたりまで伸びた栗色の髪がふわりと靡く。
とここで少女の目にあるものが目を止めた。 金髪の男がピクリとも動かずにうつ伏せになって地面に倒れている姿だ。
少女は慌てて近付く。途中で石に躓いて転びそうになるが両手をついたのでド派手に転ぶことはなかった。
「お、お父さん……？」
可愛らしい女の子の声が響く。少女は男を揺らしてみた。反応はない。当たり前だ、彼は気を失っている。
すると少女の手がピチャっと音を立てた。これは濡れた感触だ。
ふと手を見て見れば、私の手が真っ赤に染まっていた。サアアっと少女の顔が血の気引く。
「え、あ…おと…う…さん…？」
どうやらこの男は少女の父親らしい。お父さんと名を呼ぶ少女。
けれど父親は反応しない。返答もない。
更なる焦燥感を募らせる少女の視界は既に滲み、ポロポロと涙を流していた。
彼女の頭が“逃げろ”と“早く”と“ここから今すぐに”と警鐘が鳴り響いている。
けれど少女の体は思うように動かない。彼女の視線は倒れている父親に釘付けだ。とここで近くの黒い影がゆらりと立ち上がったのが見えた。
黒い影は人の形を成す。そして現れたのはボサボサと頭で目の下にクマがある男だった。
倒れている父さんを見て、口角がつり上がり二イィと怪しい笑みを浮かべている。
なんで……彼は笑っている？
なんで……父さんは血を流し倒れている？
なんで、なんでと少女の頭に疑問が埋め尽くした。
「ねえ、起きて。おきてよ！！お父さん…おとうさぁああああん！！！？」
空き地に響く悲痛な叫びはだんだんと漆黒に染まっていく世界に溶け消えた。
＊＊＊
パチリ。目を開ければ視界に入るのは白い天井だ。ツンと鼻にくる消毒の香りにここがどこかわからなかったが、真っ白なベッドに横たわっているのはわかった。
顔を横にずらす。そこには小棚の上にあるフルーツ盛り合わせがあった。
真っ白な部屋とフルーツの盛り合わせで私はここがどこなのか知る。
「……病室」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
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夜野兎(プロフ) - 世空さん» ありがとうございます！！更新頑張ります！！ (2017年10月19日 10時) (
レス) id: e61c8df72f (このIDを非表示/違反報告)
夜野兎(プロフ) - 琉夏さん» あ、ありがとうございます！！これからも更新頑張ります！！ (2017年10月19日 10時) (レス) id: e61c8df72f (このIDを非表示/違反報告)
世空 - 続編おめでとうございます！これからの更新も楽しみにしてます！頑張ってください！！(●'д')bﾌｧｲﾄです!!! (2017年10月18日 7時) (レス) id: 9037f3b3d3 (このIDを非表示/違反報告)
琉夏(プロフ) - 続編おめでとうございます！これからも頑張ってください！ (2017年10月18日 1時) (レス) id: ef575bdd2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜野兎 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2017年10月18日 0時
