幼馴染との縁を切るにはどうすればいいですか？【REBORN】

25話です ページ27

「ワイヤとか使って…」

いや、それはない。なんせ彼は本当に命を絶とうとしていた。彼の瞳は生きることを諦めているようにも見えたから。

だというのにここにいる人達はそれを冗談して受け取るのだろうか。私はぎりっと奥歯を噛み締め踵を返した。
ここにいる人たちに文句を言いたいところだがそれ以上に文句を言ってやりたい腹が立つ男が1人いる。

向かうは裏庭。彼らが今、笑いあっている裏庭だ。



＊＊＊

　パァン！！！


甲高い音が辺りに響き渡る。目の前には頰をおさえこちらを呆然とみる山本さんとえっとびっくりしたように目を見開くツナ。

そう、彼の頰に平手打ちをしたのが私だからだ。驚いていたツナだったが我にかえると山本さんを庇うように声を上げました。

「ちょっ、ユキ…いきなり何して！！」

「ツナは黙っててください」

キッと私は山本さんを睨みつける。

「私が何故怒っているかわかりますか？」

私は声を低くして尋ねると山本さんは少し目を泳がせながら答える。

「みんなに迷惑をかけたからか？」

「それもあります。けれど私が何よりも怒っているのは貴方が自分の命を絶とうとしたことです」

叩いた手をギュッと握りしめた。彼の言葉が脳裏に浮かぶ。

野球の神さんに見捨てられたらオレにはなんも残ってない。そう言った彼の言葉が。

「ふざけないでください。神様なんて気まぐれで助けて欲しい時に助けない事なんか多々あります」

私だってそうだ。いくら神に願ったところで助けてくれたことなんて手を握るほどしかない。

特にヒバリさんの事とか、綾の面倒ごとに巻き込まれた事とか、ヒバリさんの事とか！ヒバリさんの事とか！！

「貴方は言いましたよね。何も残っていないと」

それは本当のことだろうか。

　友達は？

　家族は？

　野球部の先輩は？
　
　近所の人達は？

　貴方と仲のいい町民は？

「貴方を止めにきた皆さんはあなたが必要だからとめようとしていました」

必死な顔。泣き出しそうな顔。悲痛な顔。そんな表情で皆さんは貴方をとめようとしていた。

「貴方には必要としてる人が、友がいるんです」

なのに貴方は何故それに気付かない。何故気付こうとしない。

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