先輩が演技している２【五条悟】

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いつの間にか報告書に集中していて


ふと気がつけば


隣はやけに静かで

その代わりに
穴があくほどの視線を感じた



不思議に思って隣をみる





『…ﾌﾌｯ、どうかしましたか』


五条「！」





目があったのはちょっと間抜け面の先輩で


思わず吹き出してしまう



幼いこどもに話しかけるみたいに


首をかしげて微笑んでみせた



先輩が照れくさそうに視線をはずす





五条「…べ、つに…なにも…」


『そうですか？』





…よかった


いつの間にか機嫌もなおったみたいだ



ゆっくりする時間が欲しかっただけなのかな





五条「あの…さ」


『はい？』





悟先輩が


そっぽを向いたまま話しかけてくる



夕陽に照らされているせいか


耳がほんのり赤かった





五条「この前…出かけたの

楽しかった、から…


また二人でどっか行かね…？」



『！』





____それは数日前



私が貴方に言えなかった言葉




"ふたりで"




それを言ってしまえば



想いに気づかれてしまうと思ったから





『えっと…"二人で"…ですか？』





心臓が高鳴る



期待で



鼓動が





五条「とっ、ともだち…って

そういうもんじゃねえのっ…？」


『！』





"ともだち"



期待していたのとは違う言葉




……だから


期待しないって決めたのに



何してんだろう、わたし





『…いえ、そういうもんです！


私もすごい楽しかったので

ぜひまた行きましょ！』


五条「っ、うん…」





傷ついたのがバレないように


満面の笑みでそう返した

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