Engage Ring. (ページ36)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:48,733 hit

037 ページ36

▼

「廉くん、、、迷惑かけてごめんなさい…」

俺の腕の中で肩を震わすAちゃんの

弱々しい声が聞こえる。

『ん？なーんも迷惑ちゃうよ？

ちゃんと仕事もやり切ったしな？？立派や。』

「…」

熱があるとは言え、

Aちゃんがここまで弱ってるところは

初めて見るから、、、

俺も、どうしたらええんかわからんのやけど…

一向に止まることのなさそうなAちゃんの涙。

こんなにまでさせてるのはやっぱり、

昨日のことも関係してるんか…？

『とりあえず、ソファ行こ？な？』

コクンと頷いたAちゃんの手を引き

ソファに座る。

下を向いて涙を流し続けるAちゃんを

そっと横から抱きしめる。

俺はただ、

ひたすらに彼女を抱きしめて、

背中をさすったり

頭を撫でてあげることくらいしかできんかったけど

素直に甘えてきてくれるAちゃんが愛おしくて

何があっても俺が守る、そう決めた。

数分経って、ようやく落ち着いたのか

Aちゃんが、スッと俺の腕から抜けていく。

少し寂しくなって、腕のやり場に困った俺は

また、Aちゃんを抱きしめ直した。

『大丈夫やから。

AはAらしく頑張ってればいいから。

俺も葵も潤さんもAのお母さんも、

みんなAの味方。

それになんかあったら俺がAを守るから。」

Aちゃんの腕が俺の背中に回るのがわかる。

このまま、

俺のほんまの気持ちも伝えてしまえたらええのに

そう思った。

▲