Engage Ring. (ページ35)

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マンションの駐車場に着き車を停める。

隣にはまだちょっと苦しそうに寝てるAちゃん。

『Aちゃん、着いたで。』

「…んっ」

『とりあえず上がろか。』

「うん。」

俺はいつものように右手で2人分の荷物を持って

左手をAちゃんの方に差し出すと

Aちゃんはそのまま、俺の左腕にくっつく。

何や、この小動物みたいな子は…///

家に着いてリビングに入る。

『シャワーだけ浴びてき？』

「うん。」

Aちゃんに続いて俺もシャワーを浴びる。

リビングに戻ると

Aちゃんがソファーで座ったままやったから

『ちゃんとベッド入っときや？』

と声をかけて

自分は冷蔵庫に向かった。

_____________ギュッ…

『Aちゃん…？』

「… 」

俺の問いかけに何も答えないまま

Aちゃんの腕の力が強まる。

俺は振り向いて、

Aちゃんを正面から抱きしめる。

『今日はよく泣きますなあ、お嬢さん？』

いつも明るくて楽しそうに笑うのに

今日はだいぶと弱ってるんやろうな。

Aちゃんを東京に連れてくる

Aちゃんをうちで預かる

そう決めた時、

東京での親代わりになる覚悟でいた。

けど、

Aちゃんに甘えられるたび

俺の胸はえぐられるように苦しくなる。

Aちゃんにとって俺は

やっぱり、兄的存在でしかない…？

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