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私は今、なぜここにいるのでしょうか。
空港で永瀬さんから名刺を頂いてから
まだ1週間しか経ってません。
「あっ!Aちゃん!こっちこっち〜」
『あっ、おはようございますっ」』
「そんな、かしこまらんといて?笑」
『はいっ、、、!』
正直、自分でもビックリしてる。
見知らぬ人に会いに
往復2万円も払って
1人で東京に来た。
"永瀬さんに会う"
私にはその目的だけで十分だったの。
私がここに来るのに
その他の理由なんて必要なかった。
永瀬さんの車に乗せてもらった私は
隣で楽しそうに話す永瀬さんの表情に見惚れたり
過ぎていく東京の街並みを窓から眺めたり
時折、オシャレな風景を写真に収めた。
同じ関西の出身ってこともあって親しみやすい。
そして服が好きっていう共通点。
誰かと居て、
こんなにテンションが上がったのはいつぶり?
永瀬さんの話を聞いているだけで
私もワクワクできた。
「よっしゃあ、着いたで〜」
永瀬さんが連れてきてくれたのは
表参道のファッション街。
「ここ大好きなんよ〜」
『買い物するんですか?!』
「お高いから今はまだウインドウ。笑」
『ふふ。笑』
実は私も、
ウインドウショッピング大好きなんだよなあ
だから、嬉しかった。
同じものを好きな人に出会えて。
足元がふわふわ浮いたような心地。
だからだよね。
夜遅くまで、
大事な連絡に気付けなかったんだ。
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作者名:Raine. | 作成日時:2020年5月27日 17時