__ Spring __

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拓『…ねぇ。』





祐基を見つめていると、拓弥くんに声をかけられた。





「ん？」



拓『入学式の、急に撮ってごめん。』



「え、？別に気にしてないよ。それより、感動しちゃった。カメラ、上手いんだね。」







入学式の時を思い出し、微笑む。







拓『いや、別に。』



と目をそらした。









文「あ！思い出した！！」



と、急に大きな声をだすふみちゃん。



驚いて私も拓弥くんと顔を上げる



文「拓弥くんさ、写真コンクールで賞貰ってなかった！？」



拓『…貰ったけど。』



文「やっぱり。見たことあるな〜ってさっきから思ってたの。私お姉ちゃんの付き添いで見に行ったんだよね。そしたらさ、めっちゃ綺麗な写真があったの。撮った人の名前が草川拓弥。貴方でしょ！」






興奮気味なのか、今年一番じゃないかってくらい喋ったふみちゃん。





私は耐えきれず、笑ってしまった。







「あっはっはっ、まって、ふみちゃん。めっちゃ話すじゃん。しんどい。」







拓弥くんはと言うと、やっぱり真顔。






ではなく、少し微笑んでいた。









祐『A〜！！カレー！』



と、たたたっと走ってくる。





「祐基やめて、走ってこないで。あんた絶対こける。」



祐『はい…』






としゅんとなってしまった祐基にまた笑いがこみ上げてくる。







祐『どんぐらい食べれる？』



と、祐基が分けてくれてる。






「あ、それくらい！ありがとう祐基！」







笑顔で受け取ると、







祐『あ、今の可愛い。』


「ちょ、人前でそんな事言うな馬鹿。」


文「そうだよ祐基くん、甘やかしちゃ駄目」








ほらまた来た。





もう、ほんとにやめて欲しい。








拓『……』





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