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〇22__初めて見ました ページ22

「例えばの話として聞いてほしいんだけどさ、」


テキストではなく、文学全集に目を落とすテヒョン君に語りかける。


「自分よりも趣味とか他の事を優先する彼女ってどう思う?」


しばらく考え込んだテヒョン君は「仕方ないんじゃないですか?」と単調に答えた。


「そうだよね、やっぱりそう思うよね……」


恋愛観においてはセウンよりも私の方がズレていると薄々認識していたから、同胞がいることに安心した。


「ヨンジュンさんの事ですか?」


「えっ?あ、え??」


的を射られて間抜けな声が出てしまう。


「セウンから聞いた?」


「いえ、基礎知識というか……ヨンジュンさんの話になると一度は皆そこに行き着きます」

「?」

「かっこいい先輩がいる、ダンスが上手、熱中しすぎて彼女に振られた、って…」


「そうなんだ………」


あまりにも不名誉な帰結に何とも言えない悔しさを噛み締めた。

そこがヨンジュンの長所なんだから。
ダンスに対して一途で情熱的、そしてちゃんと実力が伴っている。
振られたなんてゴシップ的な取り上げられ方、あんまりだ。


「初めて聞いた時思ったんです、現を抜かさないホットな先輩だなって」


私の思いを実にスマートに表現してくれたテヒョン君に思わず感嘆の声を上げた。


「とてもよくわかる!ヨンジュンはそういう人なんだよ!」



「感情が昂ってるAさん、初めて見ました」


全集をぱたりと閉じたテヒョン君がクスクスと笑う。


「大袈裟な」


火照った顔を隠すように席を立ち、本棚の陰へ逃げ込んだ。

そのまま見慣れたタイトルたちを目で追っていると、パタ、パタ、と近づいてきたテヒョン君がずっしりと中身の詰まった全集を片手で持ち上げて棚に仕舞った。


「この前はありがとね」


「それもう三回目です」


頼もしさが垣間見えた拍子に花火の帰り道を思い出した。
テヒョン君がどんな人間なのか知っていくうちに、愛らしい後輩という印象で片づけてはいけない、人としての魅力を感じている。

それは勿論、ヨンジュンに抱いているものとは別物で。


「家に入るまで気づけなかった私の浅はかさも込めて言ってるの」


「じゃあ受け取ります」と参ったように笑ったテヒョン君が本棚に沿って歩みを進める。

突き当りに差し掛かったところで足を止めて、小さな文庫本を取り出した。


読んだことあるの?と尋ねようとしたその時、ガラララッという音が室内に響き渡り、図書室への貴重な来訪者を認めた。


_

〇23__誘われてないんだけど→←〇21__ダンスは人生



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am(プロフ) - ノアさん» ノア様 嬉しいお言葉をありがとうございます。丁度構想を練っている時分にコメント通知を受け取ったので、創作意欲が湧きました♡これからも涙腺を刺激するようなテヒョン君を書けるよう頑張ります⋆⸜ ⚘ ⸝⋆ (2021年10月8日 23時) (レス) @page48 id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 文章が天才的すぎます!!泣 テヒョンペンなので今泣きながら見てます笑 更新楽しみにしてます!!^^* (2021年10月8日 21時) (レス) @page46 id: f00cf6f10c (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - ミミさん» ミミ様 早速のレスポンスありがとうございます!晴天の霹靂と言ったところでしょうか。ヨンジュン、最近黙ってばかりだなぁと心配しながら執筆しております🥲 (2021年9月28日 3時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - am様、二度目のメッセージを投稿します。今ほど更新された話を読んだところですが、いやぁ、こうきたか!って感じです。主人公ちゃんに気持ちを寄せてしまっています。主人公ちゃんが頭の良さが文章の描写から伝わってきますね。ああ、続きどうなるんだろう。 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - aaaoooさん» aaaooo様 素敵なお言葉をありがとうございます。伝えたい🐿さんが届いているようで嬉しいです!もっと読みたい、そう思ってもらえる作品を綴っていくのでよろしくお願い致します♡ (2021年9月27日 16時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:am | 作成日時:2021年8月22日 14時

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