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〇44__黒猫でも見たのかな ページ44

「こんな所あったんだ」


見馴れない街並みを練り歩いていた私たちはこぢんまりとした噴水広場を見つけた。

テヒョン君発案の土地縛りのしりとりは、そこで途絶えた。


「歩いてみるもんですね」

脇へ自転車を止めたテヒョン君と噴水を囲むように取り付けられたベンチに腰を下ろした。


いつの間にか涙は息を潜め、ぱさぱさとした目元が気になる。
むしろ涙で潤したいぐらいだった。


徐ろにスマホを取り出したテヒョン君が、噴水に向けてシャッターを切る。


「写真、よく撮るんだね」


昨日のカエルを思い出していると、「はい」と頷いたテヒョン君が「あのスピリチュアル、興味深いですね」と同じくカエルに思いを馳せているようだった。


「実際今日、手放しでは喜べないことが起こったので案外当たってるのかも」


ポケットにスマホを直したテヒョン君が、両手を後ろについて天を仰ぐ。

眩しさに険しくなった横顔を眺めながら、話そう、何となくそう思った。


「私は黒猫でも見たのかな、ヨンジュンとセウンが付き合ったよ」


目を丸くしたテヒョン君が「ユンさん、ですか?」と確認する。

逆にこちらが冷静になるぐらい、かなり動揺している様子だった。



「正直ヨンジュンさんは絶対に、」


そこまで言いかけたテヒョン君が黙り込んだ。
「何?」と先を促すと、首を横に振った。


「この続きはまた今度教えます」

含みを持たせたテヒョン君にとりあえず納得して、「意外にもほどがあるよね」とため息をついた。


_

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am(プロフ) - ノアさん» ノア様 嬉しいお言葉をありがとうございます。丁度構想を練っている時分にコメント通知を受け取ったので、創作意欲が湧きました♡これからも涙腺を刺激するようなテヒョン君を書けるよう頑張ります⋆⸜ ⚘ ⸝⋆ (2021年10月8日 23時) (レス) @page48 id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 文章が天才的すぎます!!泣 テヒョンペンなので今泣きながら見てます笑 更新楽しみにしてます!!^^* (2021年10月8日 21時) (レス) @page46 id: f00cf6f10c (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - ミミさん» ミミ様 早速のレスポンスありがとうございます!晴天の霹靂と言ったところでしょうか。ヨンジュン、最近黙ってばかりだなぁと心配しながら執筆しております🥲 (2021年9月28日 3時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - am様、二度目のメッセージを投稿します。今ほど更新された話を読んだところですが、いやぁ、こうきたか!って感じです。主人公ちゃんに気持ちを寄せてしまっています。主人公ちゃんが頭の良さが文章の描写から伝わってきますね。ああ、続きどうなるんだろう。 (2021年9月27日 16時) (レス) id: 877c5b508b (このIDを非表示/違反報告)
am(プロフ) - aaaoooさん» aaaooo様 素敵なお言葉をありがとうございます。伝えたい🐿さんが届いているようで嬉しいです!もっと読みたい、そう思ってもらえる作品を綴っていくのでよろしくお願い致します♡ (2021年9月27日 16時) (レス) id: ee43218214 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:am | 作成日時:2021年8月22日 14時

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