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94.あの子の笑顔がみたい! ページ4


No side









岩泉と別れて水道へと真っ直ぐに向かったAは、ひとり黙々とボトルの準備をしていた


そんな彼女の様子を背後の物陰から伺っている人物が1人。




しかし彼女はこの様な気配には非常に敏感なのである。動かしていた手を止めて水道をきゅっと捻って水を止めれば廊下はたちまち静かになった









A「…そこに居られるのは分かっていますよ、菅原さん」



菅原「…なーんでわかっちゃうかなあ、」









凛としたAの声に肩をびくっと震わせた後、物陰にいた人物、菅原孝支は頭を掻きながらひょいと姿を表した。









菅原「ちぇー、せっかくたなはっちゃんのびっくりした顔みれると思ったのになぁ〜」



A「…たなはっちゃん?」




菅原「あ!いいだろたなはっちゃん!」









ぶー、っと口をすぼめながら物陰から出てきた彼は少し不満げな表情だ。菅原の口から出たその言葉にAは少しだけ眉をひそめて聞き返す。



一方の彼は彼女の事をみてにっと笑ってみせた。"たなはっちゃん"というのはどうやら彼が考えたあだ名のようである




しかし、いつまでも黙ったまま俯くAに流石の菅原も不安になったのか、表情を強ばらせて恐る恐る彼女に近寄る









菅原「……えっと、もしかして嫌だった?」




A「…ふふ、

成程。"たなはた"だからたなはっちゃん、ですか。



…初めてそう呼ばれたので少しおどろきました。」









しかしそんな菅原にAは控えめに、しかしとても柔らかい笑顔を向けた。今まで"地味子"や"幽霊"などなど酷いあだ名しか付けられた事のない彼女は普通のあだ名がとても新鮮で、且つ嬉しいものだったらしい









菅原「!?い、いま笑って…!」



A「…何か?」



菅原「あ、いやっその…

ま、また後で!!」









そんな彼女の笑顔を見た菅原は分かりやすく動揺し、顔を赤らめて体育館の方へと走って行ってしまった。やはり彼女の笑顔の破壊力は大きいようである









A「…?」









しかしそんな事を全く自覚していないAは、走っていく菅原の背中を不思議そうに眺めた後、再びボトルへと手を伸ばした




.




菅原「…っ、さ、さっきのは反則だべ…」









菅原はといえば、彼女の笑顔が頭から離れないようで、しばらく落ち着きがなかったらしいのだ




95.変人コンビとあの先輩(Yachi side)→←93.無力なのはもう嫌だ(Iwaizumi side)



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ゆめぬし〜 - わ〜続きめっちゃ気になります!!更新お待ちしてます!! (3月27日 19時) (レス) @page19 id: 87ace5bfb7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新お願いします…(´;ω;`) (3月22日 12時) (レス) @page19 id: 912a8b7391 (このIDを非表示/違反報告)
_zh(プロフ) - 続きが読めないのが惜しいです……こんな面白い所で止まってるなんて……気が向いたときにふらっと戻ってきてくれたら嬉しいです。お気に入り登録しておきます (10月29日 10時) (レス) @page19 id: acefa471ee (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - めちゃくちゃ好きです、、欲を言えばもっと逆ハー要素いっぱい増やして欲しいのと、ノヤっさんとの絡みいっぱい見たいです!!文才天才過ぎます、、更新お待ちしてるので完結までついていかせてください! (8月27日 4時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
shibao(プロフ) - 全然待つので続き書いてください! (7月8日 23時) (レス) id: 3ee091ec74 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:@ゑの | 作成日時:2021年4月10日 23時

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