【HQ!!】地味なあの子は隠し事をしている。2

80.西谷夕という漢 ページ38

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No side






さて、先程のAの行動により、第一体育館に残っている音駒、烏野の部員たちは驚きを隠しきれていなかった



彼らの中での"七夕A"は、物静かでとても運動をする様には見えず、バレーをしているイメージは全くつかない。とにかく彼女と運動が結びつく事はないと認識していたのだ







そんな彼女が、日向・影山コンビの速攻に咄嗟にレシーブをした所を見て、驚かずにいられる者など当然いない。例外といえば、彼女が元バレー部という事を聞いていた孤爪研磨くらいだろう






そして彼女の完璧なレシーブを見て、勿論彼が黙っているわけがない。Aは絶賛、烏野の守護神である西谷夕に興奮気味で迫りよられている









A「…ええと、貴方は、」




西谷「あ、俺は烏野2年の西谷夕！七夕サンも2年っスよね！龍から聞いた！」




『…龍…田中くんの事ですね。私も2年生ですので、敬語は使わなくて大丈夫ですよ。話しずらそうですし』




西谷「そうか！それじゃ七夕も呼び捨てでいいぞ！敬語も使うなよ！


それで、七夕バレー経験者だろ」



A「…了解。


確かに、中学はバレー部だったけど」









コミュ力お化けである西谷のあまりのフレンドリーさに流石のAも気圧される。この姿の彼女に初対面でこれ程まで話しかけてくる男子は今までいなかったのだ。驚いても仕方ないだろう



きっと答えなければ彼はいつまでも付きまとってくるだろうと判断したAは、渋々といった様子で彼の問いかけに答えた









西谷「やっぱりか！さっきのレシーブ、経験者でもあそこまで早く対応できる奴は少ないからな！


ポジションは？リベロか？」




A「さっきのはただの偶然。たまたま手にあたっただけ


一応ウイングスパイカーだよ」




西谷「ふーん、まあいいや！

お！それなら丁度いいな！自主練付き合ってくれ！」




A「…何故そうなる？」









突然の西谷の言葉にAはぽかんとする。どうにも彼女は先程から、西谷という男に振り回されっぱなしのようだ


それに対して西谷は、目をキラキラと輝かせながら彼女を見つめる。こうなればもう誰も彼を止められない。烏野の3年生達ははあ、と大きくため息をついたのだった




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