18.嫌がらせ ページ20
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Tanahata side
それからの日々はねちねちとしたいじめが続いた
ある日は中履きを隠され、ある日はジャージをズタズタにされ、またある日は周りから見えない場所を殴られた
どれも陰湿な嫌がらせで、絶対に人前ではしないため他の部員や生徒、先生に気づかれることはなかった
変な噂が毎日聞こえてきて、2、3年には白い目で見られた
唯一の救いは、同じ学年で私を悪く言っていじめてくる人がいなかった事だ
それでも私は周りに相談はしなかった
周りに迷惑をかけたくはないし、もしもその人も標的になってしまったら、そう考えると怖かった
賢二郎は、薄々気づいていたようではあったが、私が『何も無い』と言えば、深追いはしてこなかった
3年生が引退してからも、部活では2年生の一部に、それ以外では3年生といった形で嫌がらせは続いていった
そして、嫌がらせが始まってから半年
私は階段から突き落とされた
私を突き落としたのは、私が一番仲が良い友人で、私はさらに混乱したのだ
階段の下から見た彼女の顔は涙でぐちゃぐちゃ、その目は何かに怯えているようで
その後、音を聞きつけて駆けつけたのは先生達と、女子バレー部2年生だった
私を突き落とした彼女は女バレの誰かに弱みを握られていたんだと思う。事情を聞かれた時も泣き続けていたし、その後、彼女が学校に来ることはなかった
私はというと、利き腕である右の腕と指の骨が折れており、全身打撲だらけのため数日間入院する事となった
「もう、右腕でバレーをする事は不可能かと…」
医師にそう言われた時、不思議と悲しくはなかった
むしろ足が両方とも無事だったことが不幸中の幸いだったと思う
友達や先生、賢二郎がお見舞いにきてくれたけど、それらを全て面会拒否して私はずっと音楽を聞いていた
誰にも、会いたくなかった
罪の意識が私を襲っていた。私に関われば、みんなが不幸になる事を身に染みて感じてしまったのだ
自分が傷つけられる事には耐えられる。でも、周りが傷つくのは絶対に嫌だ。迷惑ばかりかけてしまう自分が嫌で、憎くて仕方がない
こうして私は、人と関わる事を自分から拒否し、部活も辞めた
それでも父から教えてもらったバレーをどうしても辞めたくはなかったため左腕を使ってたまに1人で庭で練習をした
そんなことをしている内に、私は2年生になろうとしていた
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@ゑの(プロフ) - 秋蛍さん» ご指摘ありがとうございます!!ああああなんという事を申し訳ございませんんん(;ω;)作者全く気づいておりませんでした、尾長くんですすみませんんん、 (2021年3月3日 19時) (レス) id: c4dd513e8f (このIDを非表示/違反報告)
秋蛍(プロフ) - あの…突然のコメントですみません!34話の長尾くんって人は尾長くんではないでしょうか?オリキャラならすみません! (2021年2月27日 9時) (レス) id: 29e99f8be9 (このIDを非表示/違反報告)
@ゑの(プロフ) - ドクさん» コメントありがとうございます!!ふへへ産みの親になれて光栄です(?)!!これからもどうぞすこでいてくださいよろしくおねがいします(´;ω;`) (2021年2月26日 19時) (レス) id: c4dd513e8f (このIDを非表示/違反報告)
ドク(プロフ) - スコティッシュフォールディングダイブっす…無理すこ…産んでくれてありがとうございます (2021年2月26日 8時) (レス) id: f0778d3186 (このIDを非表示/違反報告)
@ゑの(プロフ) - おみゅらいちゅさん» コメントありがとうございます!!ふあああ嬉しすぎますありがとうございます!これからもがんばりますよろしくお願いします!! (2021年1月25日 20時) (レス) id: c4dd513e8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@ゑの | 作成日時:2021年1月3日 22時