10.誠実な人に優しさは付き物らしい。 ページ10
「…おこられるとおもってなくて、なのにおこっちゃったから、おにーさんたちをきずつけちゃった。だから、ごめんなさい。」
「そんっ、そんな、Aちゃんにそこまで言われちゃったら俺達立つ瀬がねえって!」
おろおろわたわたする二人を良い人だなって思いながら見上げていると、誰かがぽすんと私の頭に手を乗せる。
無意識にその手の持ち主を見上げると、それは嬉しそうに頬を綻ばせた伊達さんだった。
伊「…そこまでこいつらのことを考えてくれてありがとうな、Aちゃん。」
「…だてさん」
伊「Aちゃんは自分のことを我侭だって言うけど、俺はAちゃん程賢い良い女は見たことないぜ?」
諸「違いない。こういう時でも相手の顔を立てることが出来る良い女だな」
降「ふふ…女性を不愉快な気分にさせてしまうなんて、モテ男には程遠いな?松田、萩。」
「ぐうの音も出ない…。」
「以後気を付けます…。」
伊達さん達が場の空気を中和してくれて、私は思わずほっとしてしまう。私が場の空気を悪くしてしまったのに、自分で空気を整えることができそうになかったのだ。
降谷さんが私の視界の中でひょいと屈み込んで、私ににこっと笑ってくれる。
降「こいつらは根本的に裏表のない気の良い奴らなんだ。良かったら仲良くしてやってくれ」
「…わたし、なかよくしていいの?」
「もちろん!つか、俺がAちゃんに仲良くしてくれってお願いしたいくらいだし」
「またおこっちゃうかもしれないよ?」
「Aちゃんが理不尽に怒ることなんてないだろうし、それは仲良くしたくない理由にはならないよ。」
「…うん。ありがとう。…ごめんなさい。」
「俺達こそごめんな。自分達のやりとりが周りからどう見えてるかとか、正直考えたことなかったからさ…真面目に反省したよ」
松「俺、松田陣平。よろしくな、A!」
萩「ちなみに俺は萩原研二。よろしくね、Aちゃん♪」
ああ、彼らは大人なんだなあ、なんて。
当たり前のことを実感して、優しい彼らに感謝しつつ、私は改めて、彼らにお辞儀をした。
「わたしはAAです。これから、よろしくおねがいします!」
萩「ふふふ…良く出来ました!なーんてね」
諸「はははっ、三歳だから間違っちゃいないんだが、最早そんな褒め言葉が浮くくらいAちゃんは立派だよなあ。」
松「普通の大人だってあんなふうに話できねえって。俺素直に尊敬するよ。」
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←09.深刻になるのは誠実が故か。
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Ria(プロフ) - こっちも面白い…!!更新再開することを願って、楽しみに待ってます!! (2020年5月15日 12時) (レス) id: 33e95337be (このIDを非表示/違反報告)
チャント(プロフ) - ふさん» 笑笑 (2019年11月10日 16時) (レス) id: bd1474991a (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 笑 (2019年11月7日 11時) (レス) id: d95af1f9f8 (このIDを非表示/違反報告)
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