☆☆鬼滅の短編集☆☆〜その参〜

謎の部屋には何が…　続き ページ6

*



『未花(みか)！！冬兎(ふうと)兄ちゃん！！』



嗚呼……この光景は……。





ーーー
〈回想〉



私たちは親がいない。

私たちが小さい頃に事故で死んでしまったから。





でも、寂しくなかった。


だって妹とお兄ちゃんがいたから。





貧しかったし、家はボロボロだったし。



だけどこの暮らしに幸せを感じていた。






あれは……10年前の春。



私が6歳、お兄ちゃんが9歳、妹が4歳。






熱で寝込んだ妹に、薬草を取りに行った夜。




お兄ちゃんが行こうとしてたけど、止めて私が取りに行った。






ようやく目当ての薬草を見つけて家に帰った。





何故か戸が空いていて、
閉め忘れたのかな？と思い家に入ろうとした。







言葉が出なかった。






倒れている冬兎お兄ちゃんと未花。



辺りに充満する血とその匂い。









気が狂いそうだった。いや、狂った。








逆に涙なんて引っ込んでしまった。







その後いろんな人が来た。



腰に刀をつけた人…………後の私の師範。



顔の大半を布で隠した人達。








私が、鬼殺隊に入ったきっかけ。







私と同じ思いをする人を少しでも減らすために…。


ーーー




しばらく私は動けなかった。





あのときの悔しさ、憎しみ、悲しみ。






いろんな感情入り交じってただ泣いた。








私がもっとしっかりしていれば……。



もっと妹の体調管理ができていたら……。









ふと私の額に何かがあたった。




「全く……炭治郎くんもそうですが、柱とあろうお方が、人が禁じていることをするなんて…。」




この聞きなれた優しい声。




「早く出ましょう。お説教はその後です！」








気づくと私はベッドに横たわっていた。





「目が覚めましたか？」



『しの…ぶ……。』



炭治郎「ん……いてて……ここは、蝶屋敷…ですか？」



しのぶ「はい。早めに助けられてよかったです。あそこに長くいると体が持たないので…。」



『ねえしのぶ……あの部屋ってどういうことなの？』



しのぶ「……仕方ありません。貴方たちを信じて話すことにしましょう。あの部屋の仕組みを。」

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