検索窓
今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:11,385 hit

71 ページ28

*




悠馬の声は震えている。

だが、その言葉の裏にある芯の通った気持ちも間違いなく本物だ。


悠馬「ごめん、お兄ちゃん。一緒に戦えなくて……」


悔しそうに顔を歪めて、悠馬は自分の拳を握りしめる。

兄である俺よりもしっかりしてるんじゃないかってくらいの弟の言葉に、さすがに返す言葉に困った。


「……一緒に戦えないからなんだよ。」

悠馬「え…?」

「同じ戦場に立てなきゃ、一緒に戦ってることになんねえのか?」


俺も菓子を一つつまんで、息をつく。

俺はいつでも一人で戦ってるってわけじゃねえんだけどな…。


正真正銘一人での任務も怖いなんて思わねえし、ましてや寂しいとも思わない。


「なんたって、俺はお前らの笑顔を糧に頑張ってるからさ。
一緒に戦うってのはこれだけで充分だと、俺はずっと前から知ってるぜ。」


目を見開く悠馬に向かって、満面の笑みで笑ってやる。
なんの話かわからずにきょとんとしてこちらを見る梓にも。


「お前たちは、俺が帰ってくるって信じて待ってりゃいいんだよ。帰る場所がなきゃ、俺も「ただいま」なんて言えないし!」


そして二人の頭をわしゃわしゃと撫でる。

いつもはそれにちょっと嫌がる悠馬も、今回は何も言わなかった。


「さーてと、稽古の続きしねえと。最後の休憩から七時間は経ってやがる。早く休ませてやんねえと、あいつら死んじまうぞー!…ま、その前に…」


俺は縁側から外に向かって「アルラ!」と叫ぶ。
さすがなことに、すぐ飛んできて俺の腕に止まってくれた。


「お前らを家に送ってやんないとな!」

悠馬「え、でも隊士の皆さんに休憩は…」

「んー?ま、死にはしねえから大丈夫だろ!」

悠馬「いやさっき「死んじまうぞー」って言ってたよね!?」

「ははっ、悠馬相変わらず優しいなー!」


さすがに可哀想だから休憩って伝えに行くか。

数分経ってからまた稽古を始めるようにも言っておかなきゃな。

でも俺がいないからってサボるやつがいた時のためにも、炭治郎に監視役みたいなのを任せよう。あいつがいちばん適任だし。

72→←70



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
54人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

彩弥 Ayami(プロフ) - みさきさん» ハゲ散らかすくらいお易い御用でやっさ!!(?????) (2022年11月21日 12時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 一緒にハゲ散らかしましょ💪🏻💪🏻(((え? (2022年11月20日 22時) (レス) id: 11232c2a4c (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - みさきさん» 私は大抵執筆の際のキャラの名前や性格は他作品から持ってくるのですが…あまりたくさんの人に知られていない作品ばかりなので今回も八割自己満だったんです(笑)私と嬉しすぎて禿げそう((((( (2022年11月20日 22時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - え、嬉しすぎる…🫣🫣4人兄弟は私もコウ君推しです🫶🏼え…嬉しすぎて禿げそう(((( (2022年11月20日 21時) (レス) id: 11232c2a4c (このIDを非表示/違反報告)
彩弥 Ayami(プロフ) - かおりさん» コメントありがとうございます!受験ってほんとに大変ですね……1年の時から真面目に勉強しなかったことが悔やまれます(笑)高校入ったら今度こそは、1年から真面目に勉強を…!!大学進学を望まれてますし。(応援嬉しいです!!ありがとうございます!) (2022年11月20日 21時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:彩弥 Ayami | 作成日時:2022年10月8日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。