一 迷子? ページ1
「かる〜くアイス買って頭冷やして帰ろうとしてたわけ」
公園のベンチでアイスをかじりながらそう言う。私、西原Aはたぶん、生意気な小学校高学年のガキに見えるだろう。
だがしかし、高校二年であって、小学生ではないはずだった。
「で?何でそしたら俺を捕まえて道案内させようとする結果になるんだよ?」
目の前の不機嫌極まりないような男は、これまたうちの近くでは見ない高校の制服を着ていた。
「まずさ、ここ何処?」
「米花中央公園」
「ゴミ箱どこにある?」
「あっち」
何で俺がと顔に書いてある。面倒だけどほっとけないし怪しいみたいなやつか。
まあまあ善人らしい。
「あんたどこ高校?」
「帝丹高校二年!」
「だってー、おじさぁん。こいつの個人情報大体貰ったよ」
後ろの茂みに向かってそう叫ぶ。おじさんがいるていだ。
「なっ」
「なんつって。気を付けないとあんたいつか酷い目に遭うよ」
「このガキ……」
手で拳をつくってわなわな震える帝丹高校二年野郎。
「日本地図無い?あたしのスマホ壊れちゃって」
そう、家からとびだしちゃってから気付いたら知らないとこにいたこの過程で、スマホは使えなくなっていた。
「じゃあとりあえず交番行けよ」
「ムリムリ、嫌だし」
ま、何とかするわ。そう言って立ち上がった。このままだと交番に連れていかれ兼ねない。
「ああ、おい!」
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