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四季の話 ページ16

「「うわぁっ!!」」
廊下の角を曲がった瞬間ものすごい勢いで走ってきた誰かとぶつかった。
昼食時というのもあってか、購買や学食に走る生徒が多いのは仕方がないのだが、もう少し回りを見てほしいものだ。
「すみません、私、ちゃんと前見てなくて・・・」
「俺のほうこそごめんなs・・・あっ。」
「あっ・・・。」
お互いに顔を上げて気づいた。
私がぶつかったのは、同じ部活の後輩である四季くんだった。
「わーっ!Aっち!偶然っすね!」
いつものようなハイテンションに、ニコニコとした笑顔。
私なんかとは違って愛嬌がある。
「そうだね。あ、急いでたんじゃない・・・?ごめんね、引き止めて。」
「へ?あー、全然大丈夫っすよ!目当てのものはもう買えたんで!」
そういった彼の手に握られていたのは・・・・何これ。
激辛?これ絶対、人が食べちゃだめなやつ。
「え、それ食べるの・・・。」
「美味しいっすよ??」
「あ、そう・・・。」
ボーカルがこんなものを食べていいのだろうか。
のどが壊れそうだが。
「Aっちは、もうお昼食べたんすか??」
「まだだけど・・・。」
「じゃあ、ちょうどいいっす!みんなで一緒にたべるっすよ!」
みんな??
「えっと、」
「俺たち、大体は部室に集まって食べるようにしてるんすよ!だから!Aっちも一緒に!」
「いや、私は・・・。」
邪魔しちゃうのは申し訳ないな・・・と思い断ったのだが言葉が足りなかっただろうか。
捕らえ方によっては、一緒にいるのが嫌だといっているようなものだ。
付け加えようと再び口を開きかけたところで彼が先に話し出す。
「何言ってるんすか!Aっちも部員の一人っす!だから、休み時間終わっちゃう前に早く行
 くっすよ?ほら!先輩!」
そういうと、彼は私の手をとってぐいぐい進んでいく。
ちょっと待ってよ、と立ち止まることもできたはずなのにそれをしなかったのは何でだろう。
確かに、あの場所あのメンバーはすごく落ち着くけど。
よく考えてみれば、四季君と二人で話したのはこれが初めてだ。
何がなんだかよくわからないような会話だったけど、自分が何の抵抗もなく話していることに
まず驚かざるを得ない。
「ん?どーしたんすか??」
きょとんとした顔で尋ねてくる彼に「なんでもないよ。」と笑ってみた。
返ってきたのは、いつものまぶしい笑顔だ。
・・・初めてできた後輩は、すごく眩しい。

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- 結構、更新できました!(テスト期間だけど) (2018年2月15日 16時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
- ありがとうございます…! (2018年2月13日 21時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
- 恵さん» ありがとうございます〜今回は春名を前面に、かな・・・? (2018年2月13日 17時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
- こんにちは!めっちゃ面白かった!!春名がやばいですまじで。隼人Pなんだけど、やっぱりハイジョはみんな神っす! (2018年2月11日 15時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
- 復活しました!これから、たまっていた分をどんどん更新していきます! (2018年1月31日 19時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢(アヤ) | 作成日時:2017年12月11日 18時

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