春の話 ページ15
私が、転校してきて・・・そして軽音部というう部に入部して約三日。
クラスの人とも少しずつ話せるようになったころだ。
相変わらず、私の隣には無駄に顔が整った阿呆がいる。
同じクラス、隣の席、同じ部活。
接点が多いからか、この学校に来てから一番話しているのは彼かもしれない。
ただ、今は英語の単語テスト中だ。
単語テストなんて、中学生までだと思っていたが抜き打ちじゃなかったというのもあってすらすらと解答欄は埋まっていく。私は。
隣を見ると、ペンすら持っていない。
もはや、起きていない。要するに、授業中、しかもテスト中に彼は爆睡しているのだ。
彼が二浪もする理由が分かってしまって悲しかった。
ただ、この三日間で分かったことは、テストの結果が悪いと彼は部員である冬美くんにこっぴどく叱られるということだ。
もはや、記憶力や単語力以前の問題らしい。
やる気がないじゃないか。
腕にはめていた髪ゴムを指にかける。先生が余所見をした隙に彼の頭をめがけて発射。
「・・・ッ!!!!??」
当たったらそこそこ痛いであろうもので撃ったので、そこそこのダメージはあったようだ。
目が覚めてくれて何よりである。
先生に睨まれているのは、私のせいではないはず。
授業が終わった後散々文句を言われた。
「あのなぁ・・・!!もう少し手加減しろよな!超痛かったんだけど!!?」
「・・・普通に起こしても起きないと思って。」
「それはそうだけど!」
認めるんだ・・・。
「授業中に寝るのってやっぱりよくないと思うよ。テスト前に、詰め込むほうが大変だと思うし
、日ごろからやっておくと次思い出すとき楽に思い出せるから。」
私がそういうと、彼はうーんと唸る。
「じゃあ、A勉強教えてよ。」
「え?べ、別にいいけど・・・。」
この学校に来てから、定期テストは受けていないので実際の順位が出たことはまだないのだが
授業についていけないということもないし、成績が悪いほうではないんだろう。
彼に教えるくらいのことはできるような気がする。
「よしっ、じゃあ次のテストがんばるわ」
「そうしてね。」
せめて赤点回避してほしいところだ。
「ほら、俺と四季が馬鹿だからさ〜。旬も忙しいだろうし、毎日勉強見てくれるのはありがたいけ ど、申し訳ないって言うかさ・・・?」
・・・そんな風に思っていたのか。
彼は彼なりにいろいろ考えている人らしかった。
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絢 - 結構、更新できました!(テスト期間だけど) (2018年2月15日 16時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
恵 - ありがとうございます…! (2018年2月13日 21時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
絢 - 恵さん» ありがとうございます〜今回は春名を前面に、かな・・・? (2018年2月13日 17時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
恵 - こんにちは!めっちゃ面白かった!!春名がやばいですまじで。隼人Pなんだけど、やっぱりハイジョはみんな神っす! (2018年2月11日 15時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
絢 - 復活しました!これから、たまっていた分をどんどん更新していきます! (2018年1月31日 19時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢(アヤ) | 作成日時:2017年12月11日 18時