31話 ページ35
伊「Aさん、今回の任務は一人でお願いしてもよろしいですか？」
高専に戻り、私は任務に必要な情報を受け取った。
今回の任務は、東京23区内の一級レベルの呪霊を祓うことだった。
今の時期は、冬の終わりから春までの人間の陰気が、ドカッと呪いとなって現れる繁忙期というやつだろう。だから、人口の多い23区内の呪いもより多くなり、強いものが増える。
私的には、遠くに派遣されずに済むから、少しは気が楽であった。
「了解です。ほんと呪術師って人手不足ですよね。」
伊「はい…すみません。」
「呪術師になる人は少数ですし、仕方がないことです。伊地知さんは伊地知さんなりに頑張ってますよ。」
伊「(もっと言って…！)ありがとうございます。では、お気を付けて。」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私は新宿まで、補助監督さんに送ってもらい、車を降りて歩きながら呪霊を祓うことにした。
車での移動よりも、私が電車なり何なり、自分で移動した方が、補助監督さんの負担も減るだろうと思った。
新宿は相変わらず、人が多い。
すれ違う人は呪いの存在なんて見えないし、呪いを生み出しているという自覚は無い。私はそれを分かっていても、呪術師を辞めたいと思ったことがなかった。
だって、いずれ人は皆死ぬ。それは、呪術師であろうと非呪術師であろうと平等に死は与えられる。だったら、どちらかが滅んだところで意味なんて生まれないと思っていた。
でも、それと相反する考えを持つ者もいる。かつて、同じ呪術師を目指していた同期の、彼のように。
私は手を合わせ、そこら辺にいた2級レベルの呪霊を祓った。
対して強くもない呪霊を祓うのは、キリがない。けど、野放しにしておけば後々厄介かもしれないから、しっかりと祓う。
横断歩道の信号が赤になり、立ち止まった。呪術師と言えど、ルールは守る。傍から見れば私もただの一般人だし。
信号が青に変わり、横断歩道を渡っていると、どこか懐かしい匂いがふわりと香った。
「…！」
振り返っても、その匂いの正体と思われる人物は見当たらず、匂いは人ごみの中に紛れて消えた。
「気のせいか……もういるわけないのに。」
そうだ。彼は、夏油傑は、もうこの世にはいないはずなんだ。
私は、そう思いながらビルに張り付く呪霊や線路下の薄暗いトンネルに隠れている呪霊を祓い、淡々と任務をこなした。
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ししゃも(プロフ) - 米毎さん» オレンジジュースどうぞおおお！！！面白いコメントありがとうございます！笑 更新頑張りますね！！ (2020年11月18日 23時) (
レス) id: 8991fe48ac (このIDを非表示/違反報告)
米毎 - うォォォォォォォォ！！！！可愛い可愛い！夢主ちゃんが可愛すぎる！カーッ！！宴だ！オレンジジュース持ってきてください！本当に面白いです！続きが楽しみすぎます！更新待ってます！ (2020年11月16日 20時) (レス) id: 2a7a7ec279 (このIDを非表示/違反報告)
ししゃも(プロフ) - 桜餅ちゃんさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてすごく嬉しいです！！更新頑張りますね(^^) (2020年11月10日 0時) (レス) id: 8991fe48ac (このIDを非表示/違反報告)
桜餅ちゃん - 夢主ちゃんめっちゃ可愛い！！五条先生推しからしたら本当神作品です！更新頑張って下さい！ (2020年11月9日 18時) (レス) id: bb817d3613 (このIDを非表示/違反報告)
ししゃも(プロフ) - りりりのりーさん» こんにちは！本当ですか！？！ありがとうございます！｡°(°´∀`°)°｡めちゃくちゃ嬉しいです…更新頑張りますね！ (2020年10月30日 20時) (レス) id: eb51039bf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ししゃも | 作成日時：2020年10月28日 19時
