呪術高専1年の副担任

12話 ページ14

今日は休養明けの仕事で、名古屋まで派遣された。


休み明け早々に働いているなんて、呪術師が足りていないことを実感する。
今回は、主に三級から二級程度の呪霊が相手だって言ってたし、一級以上でなければ特に問題はない。



私の術式は、自分で考えたものを自由に作り出すことができる。これは、神喰家に代々伝わる術式。

ご飯を食べる時にする、いただきますみたいに手を合わせれば、発動する。

まあ、ご飯食べる時に手を合わせても勝手に発動はしないから大丈夫だけど。

大きいものを作ろうとすれば呪力は大幅に消費されるし、小さすぎるものでもけっこう呪力を消費する。

高専時代、うまく術式を扱えるように、悟や傑、硝子に言われたものを作ってたけど、

ほぼ、パシリみたいな扱いにムカついて、途中でやめた。





「帳を降ろしてもらってもいいですか？」




補助監督さんは、「闇より出でて闇より黒くその穢れを禊ぎ祓え」と唱えて、帳を降ろした。




私はさっさと仕事を終わらせたくて、急ぎ足で呪いを放つ建物の中に入っていった。




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「ふー、とりあえず祓い終わった。」




伊地知さんが言っていた通り、そこまで強力な呪霊はいなかった。
でも、何か妙。こんなに広い建物だから、どこかにまだ呪霊がいるはず。
弱すぎてあまり感じないだけかな。






ズボッ




「へ？」




気が付くと私の片足は床にはまっていた。
そして、その範囲は徐々に大きくなり、私は海のように暗くて冷たい場所に溺れるように落ちていった。

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