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アオイに教えてもらった町へ走って行くとすぐに着いた
もう暗くなっていて私は焦りながら二人を探したのだがこの町は人通りが多く何やら強い香りがして鼻が効かない
ならばと耳を澄ますが呼び込みで大声で叫ぶ人の声に遮られ遠くの声が拾えない
気配も広すぎて中々掴めない
屋根に登って上から探すことにした
『すみちゃーん!なほちゃーん!』
叫んで呼ぶけれど反応なくそうこうしている内に夜になってしまった
どうしよう……間に合わなかったら……2人が鬼に出くわしていたら…
二人の笑顔が浮かんでは消えた
歯を音がするほど噛み締め全力で走った
どこ…どこ…どこ!?
どこからか女の子の悲鳴が聞こえて男性らしい声が聞こえると思ったらすでに足は動いていた
ッ、間に合えッ!
「誰かー!誰か!ひっぐ…」
「こ、来ないで……」
「そんなこと言わないでくれよ。いい夜だねぇ、俺の名前は…」
____陽の呼吸 参ノ型 泡沫陽光
私は気配を殺して鬼の頚を狙ったのだが咄嗟にかわされ腕を切る程度だった
「わぁ、君凄いね。それにとっても綺麗だ…名前は?俺は童摩、いい夜だねぇ」
こいつ……ニコニコしてて目が見えないけど確実にこいつは上弦だ。なほちゃんとすみちゃんは…?
幸い二人は怪我がなかったため二人とあいつの間に立って刀を握り締めた
吐き気がする、全身に鳥肌が立って本当ならこの場から逃げ出したい。怖い、私はここで死ぬのかも知れない。いや、普通に戦えば一人で上弦相手に敵うわけない……
死ぬのだとしたらせめて、二人を守って………
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作者名:イカ星人 | 作成日時:2020年1月19日 19時