2#竜王とは ページ3
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『え……"竜王"？』
「そうですの！」
ある日のことである。
普段通りお仕事――もとい雑用をこなしていると、友人の一人が興奮冷めやらぬ様子で詰め寄ってきた。
「何でも、最近になって竜王が誕生したことが明らかになって。もうじき、その誕生を祝う式が行われるようなんです」
『……へぇ』
そうでしたの。と身の入らない返事をしつつ、小さく頷いてみせる。
竜王、か。何とも大仰な御名であるが、この世界にはなんと、竜というものが真に存在する。
女子といえども、それくらいの常識は教育させられた。え、まじでー？ これが当時の感想だ。
その中でも"竜王"を冠する存在というのは特別で、数千年に一度とか、そんな稀有なるもの。
人とは一線も二線も画す孤高の種の、さらに頂点に君臨するいわば――うん、神だな、神。
それが生まれたってんだから、さぁ大変。ここから私たちは――
『……それで、何が起こるのかしら』
「んもう！ Aさんたら！ "竜王誕生の儀"が執り行われるんですよう！」
友人――当然の如く、彼女もどこぞのご令嬢だ――は、可愛らしく唇を尖らせた。
私はといえばそれに対して、へぇ、二回目。
……これが、昨日のこと。
日が明けてそこに立つ私はというと、驚いたまんま瞬きを繰り返していた。
『"竜王誕生の儀"に、参列？』
「第一王子殿下もご一緒だそうですよ！」
あぁ、それで。通りで友人含むご令嬢たちが、きゃっきゃと色めいている訳だ。
"竜王誕生の儀"とやらは、竜たちの住まう辺境の地にて行われる。
竜王の誕生は一大イベント。そこは一応この国の管轄内なので、王国きっての行事となる。
次期王太子と目される第一王子殿下が直々にご参列となれば、その重大さも理解できよう。
んでもってこの第一王子殿下、お決まりの如くお顔がよろしい。
「私たちでは、お会いできる機会がなかなかありませんものね。あぁ、楽しみだわ！」
『……ふふ、そうですわね』
私だってイケメンは好きだ。でも待って、どう考えても最重要項は竜じゃない？
ドラゴンだよ？ 伝説の生き物だよ？
こうして私たち王宮のメイドは、それぞれの思惑により胸を高鳴らせ。
そして数日後、"竜の棲む村"として名高い辺境の地へと旅立つのであった。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
