4#望まぬ誘い ページ7
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私たちに宛がわれたのは、例の建物の近くにあった家々の中の一つで、どうやら王都からの客人をもてなす一環として、わざわざ用意してくれたものらしい。
そこに令嬢や若い騎士らが数人ずつに分かれて滞在し、殿下とベテラン騎士たちにはあの広い建物が宛がわれた。
「……あぁ、疲れましたわ……」
ドアを閉めて外界と遮断されるなり、令嬢たちは一斉に座り込む。
彼女らは慣れない環境に放り出され、相当参っているようだった。その綺麗な顔に、疲労と困惑の色が濃く滲んでいる。
「ここにあと数日も滞在だなんて、やっていけるかしら……」
小鳥の鳴くような可愛らしい声で、重い息を吐いて。
『……そうですね。少し、大変かもしれませんね』
「……。でも、Aさんはあまり、疲れているようには見えませんわ」
『そうでしょうか？』
傍から見ると、そう見えるのだろうか。
はて、と首をひねる。まぁ、彼女たちに比べれば、幾分かは。
「とにかく、時間まではゆっくりしていましょう」
私たちには、次の時間まで待機指示が出されていた。
次のイベントは日が暮れた夜。殿下のいるあの建物に集まって、住民らが振る舞ってくれるご馳走を頂くのだ。
どんなご馳走が出るかは分かっていない。だがおそらく、王都で出るようなものではないことだけは確かだ。
それもまた不安なのだろう。彼女たちは揃ってきゅ、と眉をひそめて難しい顔をしていた。
『……』
ふと、外に繋がる窓を見やる。
「……。あら、Aさんどちらへ？」
『……えぇ、少し。外の様子を』
言えば、ご令嬢は驚いたように目を見開いた。さながら、なんて物好きな、とでも言いたそうだ。
「お、お気を付けてね」
その面食らった表情のまま見送られ、私はついにドアを押し開ける。
瞬間顔をさらっていった風は、心なしか冷たい感じがした。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
