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「大丈夫、ですか」
『は、はい』
まぁ痛くなかったし、ちょっとした悪戯のつもりだったんでしょう、多分。
かなりビックリしたんですけどね、正直。だって私、これでも貴族の令嬢ですから？
立ち上がり姿勢を整える傍ら、ゾムさんがオスマンさんに頭を
「グルッペンさん、もう、いいですよね」
「あぁ、いい。A嬢、驚かせてすまなかったな」
『……いえ、構いません、本当に』
グルッペンさんの許可が出ると、ショッピさんはさっさと踵を返して部屋を出て行ってしまう。
私はもう一度礼をしてから、急ぎ彼の後を追った。コネシマさんが何やら叫んでいたが、(申し訳ないが)そのまま出てきてしまった。
「あぁ、んーっと……A嬢？」
部屋を出たところで、また別の男性と出くわした。
先に出たショッピさんと何やら話していたようで、私を見つけるとにへら、と眼鏡の奥で笑う。
見覚えがある。し、比較的流暢に名前を呼ばれた。それなら――
『鬱先生、さんでしょうか？』
「あ、そうそう。名前知っててくれたんですね」
鬱でいいですよ、と言われたので素直に頷いておく。彼は部屋の騒がしさを見やり、あちゃあ、と顔をしかめた。
「すみませんねぇ、あまり怖がらせるなって、言っておいたんですけど」
鬱さんは頬を掻いた。
『いいえ、怖いだなんて』
「んふ、そうですか。……これから、竜の間に？」
『はい』
「あぁ、そう。それじゃあ、よろしく」
ひらひらと手を振って、彼は私たちがたった今出てきた部屋へ、ノックもなしに入っていった。
『(……。個性、強っ)』
改めてドアを眺めつつ、その奥を思い出して肩を竦める。
中身を知っている竜王よりよっぽど、接し方に困るんではないだろうか。
「A嬢、行きましょう」
『……はい』
返事をしてからもう一度だけドアを振り返って、そしてショッピさんを追う。あぁ、でも何だか。
『(――楽しかったなぁ)』
漠然と、そう思った。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
