10#新しい家 ページ35
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『(……びっ)』
――びっくりしたぁ……！
ド直球過ぎんだろ。どういうつもりで言ったんだ。
――君は、敬愛する殿下と我々が対立するとしたら、どうする？
なんて、聞く人が聞けば、口にするだけでも謀反を疑われる可能性だって、ないとはいえないぞ。
やっと解放されると油断していた肩越しに、最後の最後にそう問いかけられて、私は何のイジメを仕掛けられているんだと疑ったくらいだ。
確かに。確かに今になって理由を挙げるとするなら。
きっと彼は、いわば余所者である私が、どういった心積もりであるのかを量りたかったんだろう。それにしたってもっと別の言い方があろうもんだが。
『(しかも、結局何も言えなかった)』
私は結局のところその問いには答えずに、無視をしてしまった形になる。
だって、まさかグルッペンさん達の前で「貴方がたの敵です」とも、曲がりなりにも貴族の分際で「殿下には従えません」とも言えないでしょう。
答えを出すにはまだ、知らないことが多すぎる。それに。
『(……あいつにとって悪いようなことだけは、したくない)』
――前世のことは、もう引きずってないつもりだったんだけどなぁ。
一度は終えたとてやはり、そう簡単に割り切れるほど人生軽くない、ということか。
突然に現れた"昔"の身内に、私はどうやら、姉としての温情を思い出してしまったらしい。
「――A嬢」
『……！』
静かにかけられた声に、俯きがちだった視線を上げる。
ショッピさんは前を歩きながら、半身だけこちらを振り向くようにして見てきた。
「大丈夫、ですか」
『……。はい、すみません、色々と、急に起こったものですから』
自身を落ち着けるように、とゆっくりと返答すれば、彼は表情をさほど変えずに頷いた。
「これからの、貴女の住む場所、ですが」
『はい』
「僕の家、住んでください」
『はい。……はい？』
――え、なんて？
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
