8#再会 ページ23
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光る粒子でも纏っているのかと勘繰ってしまうほど煌めく白銀の鱗に囲われた、黒曜石のような純真な瞳。
頭いくつ分か数えるのも億劫なくらい高い位置にある一対の目が、真っ直ぐ私を射抜いていた。
目が合った瞬間に、耳鳴りにも似た感覚が襲い来る。
『――』
人々が"竜王"などと大仰な名で敬う、その孤高であるはずの生き物が、確かに。
確かに私を見て、黒い瞳をしばたたかせた。
竜でもそんな仕草するんだな、などと、考えている余裕すらなく。
なんで。
――なんで、あんたが"ここ"に。
『――……リュウジ？』
――グオォン……！
「……！ 竜王が――」
「啼いた……！？」
驚愕の声が聞こえて、はっと我に返る。
やばい、もう出しゃばらないって決めたのに。
もう遅い気がしないでもないが、私は何とか平静を装って、皆の視線が竜王へと向いている間にそそくさと輪へ戻ろうと試みた。
どよどよ、驚きと恐怖が混じったざわめきの向こうで、竜王が何度も啼いているのが聞こえる。
『(……やめろ、やめろって)』
「――君」
『……！ はい、殿下』
「今、竜王に何かしたかい？」
『……いいえ、私は、何も』
混乱に紛れても、敏い殿下は見逃さなかった。首を振る私を見測るような視線は、普段の穏和なだけの彼ではなく。
紛れもない一人の王族に狙いを定められて、喉が震える。
そこでようやく、私は平和に終わるはずだったこの大事なイベントに、水を差してしまったのだと理解した。
『(どうしよう、どうしよう)』
焦りと罪悪感と、それからどこからか押し寄せる"懐かしさ"によって、頭がぐちゃぐちゃになる。
――グオン、グオォン！
竜王の吠えが大きくなる度に、令嬢たちの悲鳴も目立つようになってきた。ほんと、やめてったら。
この状況で一体何を考えればいいのか、分からなくて、顔が歪む。
『(……なんで、もう、吹っ切れてたのに)』
――……グオオォン！！
『(――姉貴って、呼ぶな)』
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
