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「親公認のカップルってことで、ええやんな？」
『……うーん、それはどうだろうねぇ』
「お前、ええ度胸やな」
『――！』
顔にかかった影と、唇を掠めた熱。にやり、悪戯に細められた目がこちらを覗く。
Aは彼の思惑通り目を見開いたけれども、すぐに緩やかに笑ってみせた。
『両親の前でそんなことするゾムも、かなりいい度胸だと思うけど』
「……。まじ、お前とおると調子狂う」
『んは、それは良かった』
それならこの運命は、やっぱりあるべき道だったのかな、なんて。
――――……
――……
数日後、再び"フィリアス"のホームにテオドルが訪れた。
偶々その場に居合わせたゾムが顔をしかめると、Aは可笑しそうに笑って言う。
『見て、あれ』
「あ？」
『テオドルね――昔っから、アリサに一途なの』
見てみれば、綺麗に包装された小包を、膝をついてアリサに差し出しているテオドルがいた。
目が点になったゾムの前で、アリサは鬱陶しそうにじとりと見下ろしながら受け取っている。
『あれでいて、アリサも満更でもなさそうなんだ。いつか、本当にお兄ちゃんになるんじゃないかな』
それも面白いよね、と可愛らしく笑うA。
ゾムは彼女と、それからあちらの二人を見比べて。
『わっ……！』
「いやー、どーもどーも、お兄さん」
「ん？ 誰だあんた。ってかA？ なんで手ぇ繋いで――あ、まさかお前が」
「はいー、Aが"勘違いされたくない人"でーす」
『ゾム！？』
Aが悲鳴を上げる。
「ほーう？ 確かに可愛い妹の恋路は応援したいが、実際に目の前にするとなんだかムカつくなぁ……？」
『テオドル……！』
「そーんなこと言わずに、これからは僕に任してくださいよぉ、"お兄さん"？」
「……。ほーん」
びきびき、とテオドルの頭に青筋の入る音がした。
「あんたには、"お兄さん"と呼ばれる筋合いねぇんだけどなぁ？」
「……いやぁ、すぐにそうなりますよ」
『……。……え！？』
ようやっと理解して顔を真っ赤にするAと、衝撃の事実に驚きざわめく双子及び"フィリアス"のメンバーらによって、真昼間のホームは阿鼻叫喚の図となった。
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江之子(えのこ)(プロフ) - あんりさん» コメントありがとうございます。自分でもこの設定好きです(笑) これからもよろしくお願いします！ (2020年5月15日 12時) (
レス) id: f1826b23af (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - ピヨさん» コメントありがとうございます。どちらも楽しんで頂けて私も嬉しいです。是非最後までお付き合いください！ (2020年5月15日 12時) (レス) id: f1826b23af (このIDを非表示/違反報告)
あんり - ひいぃ...好き...もう少し続くとの事なので楽しみに待ってます！ (2020年5月15日 8時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
ピヨ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。本作品を最初からrbロ編とzム編を全て読んだのですがどちらの物語もとても面白くて、設定も個人的にとても好みで最高でした。完結まで楽しみにしています。 (2020年5月10日 8時) (レス) id: 3ec25a42f9 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 豆腐の中の棒人間さん» コメントありがとうございます。確かに言い回しは沢山考えて練っている部分ですので、褒めて頂けると嬉しいです！実はご作品の「転生者は…」を密かに楽しませてもらってます。お互い頑張りましょう！ (2020年5月6日 0時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月20日 23時
