60#礼を ページ31
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晴れて互いの恋人を名乗るようになった二人は、以前にもまして一緒に過ごすことが多くなった。
ただでさえ何かとちょっかいを出しに"フィリアス"のホームを覗いていたゾムは、大義名分を得たことで、Aがギルドにいる日は決まって顔を出すのだ。
『……。そんな、毎日来なくても』
「やってAは来てくれへんやん。俺がこっち来んと」
『仕事しなよ』
「おっけ、何する？」
と、何故か慣れたように"フィリアス"の
いつからこの男は、"フィリアス"のメンバーになったんだ？
「こないだみたいに、平和なやつでもええよ」
『んー、そうだねぇ』
後ろから、Aの頭に顎を乗せて引っ付いてくるゾムに、結局は流されて仕事の候補に目を走らせるA。
彼からすれば身長差がちょうどその行為にぴったりであるらしく、ゾムはこうやってAの背中に立っていることが多かった。
"フィリアス"のメンバーらは、そんな光景をもう見慣れたものとして、生温く見守っているのである。
やがて適当な依頼を見繕った二人は、仲良くホームを出て行こうとした。
「――Aさん」
その直前に、外から入ってきた人物によって呼び止められたが。
『あ、ロボロさん！』
一人で"フィリアス"を訪れたのは、少々珍しい男だった。しかしそれが、"彼ら"の中では付き合いの多い人物だったこともあって、Aはにっこりと笑いかける。
お久し振りです、どうしました？ そうして尋ねられた男――ロボロは、少し改まった様子で言った。
「ちょっと、話したいことがあって」
『話したいこと、ですか？』
その切り出し方から、彼がただ世間話をしに来たのではないことは容易に分かった。
Aは首を傾げて、傍らのゾムを見上げる。彼も不思議そうに瞬きを繰り返していた。
「今、時間ええですか？」
『はい、もちろん』
そんなに急ぎの依頼でもないし、何より彼の様子が気になった。
断るという選択肢などあってないようなもので、Aはロボロに一歩歩み寄る。
とそこで、ロボロは彼女の後ろを見やって苦笑した。
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江之子(えのこ)(プロフ) - あんりさん» コメントありがとうございます。自分でもこの設定好きです(笑) これからもよろしくお願いします！ (2020年5月15日 12時) (
レス) id: f1826b23af (このIDを非表示/違反報告)
江之子(えのこ)(プロフ) - ピヨさん» コメントありがとうございます。どちらも楽しんで頂けて私も嬉しいです。是非最後までお付き合いください！ (2020年5月15日 12時) (レス) id: f1826b23af (このIDを非表示/違反報告)
あんり - ひいぃ...好き...もう少し続くとの事なので楽しみに待ってます！ (2020年5月15日 8時) (レス) id: 4620368618 (このIDを非表示/違反報告)
ピヨ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。本作品を最初からrbロ編とzム編を全て読んだのですがどちらの物語もとても面白くて、設定も個人的にとても好みで最高でした。完結まで楽しみにしています。 (2020年5月10日 8時) (レス) id: 3ec25a42f9 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 豆腐の中の棒人間さん» コメントありがとうございます。確かに言い回しは沢山考えて練っている部分ですので、褒めて頂けると嬉しいです！実はご作品の「転生者は…」を密かに楽しませてもらってます。お互い頑張りましょう！ (2020年5月6日 0時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月20日 23時
