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邪な考えを振り払い、こほんとわざとらしい咳をひとつ。
『あー、何事も練習すれば上達しますから。コツを教えますね』
「お、お願いします」
それから、魔力の流れを掴むコツ、張る《空間》の大きさをコントロールしたり、離れた位置に発動させたりするやり方を、出来得る限り丁寧に説明していく。
やはり元々の素質か、はたまたAの教えが良いのか。ロボロはその日の内だけでも着々と成長した。
『慣れてくれば、こんな使い方も出来ますよ』
言いながら離れたところに発動させた《空間》の中で、激しい炎が上がった。《空間》と《火》の合わせ技である。
「なるほど、守るだけのものじゃないってことですね」
彼は《光》も得意だから、きっと少し練習すれば魔法の合わせ技も難なく習得するだろう。
『《光》が使えるのは便利ですよねぇ。目眩ましにもなるし』
「そうですね……やっぱり、《光》の適性者は珍しいんでしょうか」
『んー、うちのマスターがそうなんで、個人的には珍しくもないんですけど。でも、世間一般で見れば』
そこでAは、あ、と手を打つ。
『そうそう。面白いので言えば、遺伝的に《光》の適性をもつ家系もありますね』
「……へぇ、そんなんあるんですか」
『はい、この国の貴族のご一家に、そんな家が。私も実際にお会いしたことはないんですけどね』
遺伝として魔性の適性が受け継がれるというのは、大変珍しいがない訳ではない。
その話を聞いたとき、魔石マニアのAとしてはこの上なく興味を引かれたものであったが、残念、貴族などそうそう会えるものではない。
と、うわの空で突っ立ったままのロボロに気付いて、名前を呼ぶ。
『ロボロさん、慣れない魔法連発して、疲れちゃいました？』
「え――あ、や、そういう訳じゃ」
『んふふ。もうすっかり暗くなっちゃいましたし、今日は切り上げましょうか』
「あ……はい」
その時の返事が妙に残念そうに見えて、Aは心がほんのり暖かくなるのを感じた。
先程よりも暗くなった道を、並んで歩く。ふと、ガサリと茂みが揺れた。
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江之子(プロフ) - みかんさん» コメントありがとうございます。頑張ります！これからもお楽しみください。 (2020年7月13日 16時) (
レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 藻塩。さん» コメントありがとうございます。気に入ってもらえる展開でしたか！作者も好きです、書くときちょっと辛くなりましたが…(笑) (2020年7月13日 16時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - コメント失礼致します。とても面白く読ませて頂いています。これからも更新頑張って下さい。 (2020年7月12日 19時) (レス) id: 8cc228e6cc (このIDを非表示/違反報告)
藻塩。(プロフ) - 江之子さん» コメ失礼します、すんごく展開が好きです…！これからも無理しないように頑張ってください！ (2020年7月12日 14時) (レス) id: 7b5f2afcc4 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 菜の葉さん» コメントありがとうございます。登場人物たちに感情移入してもらえるとは、この上ない褒め言葉です…！頑張ります。 (2020年7月11日 0時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月20日 23時
