▼ ページ39
.
さて、こうして"フィリアス"のホームに集った"我々だ！"勢であるが、Aの知っているあちらの中心メンバーが勢揃いしている訳で。
ということは、いまだ顔と名前が一致しないでいる数人も、おそらく中心メンバーだ。
密かにフュールに尋ねると、彼女は丁寧に教えてくれた。
トントン、シャオロン、オスマン。
この三名が、今日初めて認識した顔ぶれだ。もちろん名前だけは知っていたけれども、この人がそれだと一致したのはこれが初。
「じゃあまずは、完了済みの依頼の確認から」
ひとたび議題に入れば、彼女らは一様に真剣な表情を湛えて資料を覗き込む。
会議の内容はほとんどが事務的なことだ。依頼の重複を避けるための相互報告、優先すべき重要な依頼の確認、エトセトラ。
国を代表するギルドであるだけに、国から直々に下される依頼も稀にある。そこまでいくと、もはや依頼というより王命に近い内容だが。
今回は特にそういった異例もなく、穏便に話し合いが終わりそうだった。
なまじホームが近いだけに、細かな連絡は毎日のように行き交っていたからだろう。
なんだ、大して悪いことないじゃない。Aはほっと安堵の息を吐く。
どうしてアリサ達は、そこまで頑なに自分を遠ざけようとしたんだ。
――しかし、このときの自分は甘かったのだと、Aは後悔することとなる。
「話すべき議題はこれくらいか……では」
「………」
ピリ。
空気がひりつく。
「恒例の、"成果報告"といこうじゃないか」
「望むところよ……！」
『……。……えっ』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 144人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
江之子(プロフ) - チトセさん» コメントありがとうございます。私も、いつまで経っても魔法の世界が好きなんですよねぇ。是非とも一緒に楽しんでください！ (2020年4月2日 23時) (
レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
チトセ(プロフ) - もちろん待ってました！この設定が好きだったので、更新ない間もこの世界を歩くことを妄想したり…。帰ってきて嬉しいです！ (2020年4月1日 11時) (レス) id: e1c495790d (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - さよさん» コメントありがとうございます。何度もとは嬉しい…。期待に沿えるよう精進します！ (2020年3月25日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 。。。さん» コメントありがとうございます。旧作から来ていただけたようで、何年もお待たせして恐縮ですが、また気長にお付き合いください！ (2020年3月25日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - 旧作何度も読み返すくらい好きだったので、新設を作ってくださってとても嬉しいです…！！これからの更新とても楽しみにしています。 (2020年3月25日 11時) (レス) id: 6370bc6004 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：江之子
| 作成日時：2020年3月24日 21時
