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『……気付いた』
しかしながら、相手も獣。
常ではない気配を僅かながらにも感じたのか、寝そべっていた上体を起こし、辺りを見回しては鼻をヒクヒクと動かしている。
Aは内心舌打ちをしたい気分だったけれども、まだこちらの存在を視認した訳ではないことを確認して抑えた。
と、ある一点から前触れなく青い閃光が飛び、アドウィルトンに襲い掛かった。
メンバーの《水》魔法であったが――それは紙一重で躱される。あちらの本領発揮だ。
だがこっちも負けてはいない。
その避けた先に次々と攻撃が放たれ、アドウィルトンは当たるものかと必死に跳ね回る。
やがて相手に疲れが見え、魔法がいくつか掠り始めたときだった。
アドウィルトンの尻尾が光を帯びる。
『……！』
魔法だ。咄嗟に判断したAは、右手に持った得物を振り上げた。
アドウィルトンの尻尾が勢いよく空を切り、橙に発光する鞭が飛ぶ。Aの放った対照的な《水》の鞭とぶつかったそれは、ジュウ、と大きな音を立てて霧散した。
紛れもない、《熱》魔法である。
「ナイスAっ！」
メンバーの一人ジュディが軽い賛辞を送りながら、アドウィルトンの足に蔦を絡ませた。
攻撃が無効化されて一瞬動きの鈍ったアドウィルトンは、それを避けられない。
蔦が《熱》で溶かされぬうちに、Aはアドウィルトンを《空間》に閉じ込める。
蔦から解放されても逃げ場のなくなったアドウィルトンは、しきりに壁を引っ搔いていた。
「……弱点どこだっけ」
「確か、額の真ん中？」
『じゃあ……サンドラ』
「はぁい」
Aに名指しされたサンドラは、得意の《水》魔法を捏ね上げる。
そしてアドウィルトンの額一点に向かって、その刃を振るったのだった。
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江之子(プロフ) - チトセさん» コメントありがとうございます。私も、いつまで経っても魔法の世界が好きなんですよねぇ。是非とも一緒に楽しんでください！ (2020年4月2日 23時) (
レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
チトセ(プロフ) - もちろん待ってました！この設定が好きだったので、更新ない間もこの世界を歩くことを妄想したり…。帰ってきて嬉しいです！ (2020年4月1日 11時) (レス) id: e1c495790d (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - さよさん» コメントありがとうございます。何度もとは嬉しい…。期待に沿えるよう精進します！ (2020年3月25日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 。。。さん» コメントありがとうございます。旧作から来ていただけたようで、何年もお待たせして恐縮ですが、また気長にお付き合いください！ (2020年3月25日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - 旧作何度も読み返すくらい好きだったので、新設を作ってくださってとても嬉しいです…！！これからの更新とても楽しみにしています。 (2020年3月25日 11時) (レス) id: 6370bc6004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年3月24日 21時
