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一旦在庫部屋に下がっていつものように見繕い、ふと思いついてある魔石を一緒に引っ掴む。
『そういえば、質の良い《水》の魔石が手に入ったんです。栄養たっぷりの自信作ですよ』
「おぉ、君が調石したんだ？」
『もちろん。サービスです、一緒に入れときますね』
「いいの？」
『賄賂ですよ、今後ともよろしくお願いします』
「ぷっ、素直に言っちゃうんだ」
意地悪く笑ってみせると、彼の方も愛想よく笑い返してくれる。
普段はマスクで顔がほとんど隠れている上、唯一見える目も切れ長で一見近寄りがたい印象だが、話してみるとかなり穏健な人だと分かる。
じゃあこれ、と差し出されるお代をありがたく受け取ろうとすると。
「――ひとらん」
Aでもひとらんらんでもない、第三者の声がした。
「俺のこと忘れてへん……？」
『え？』
「……あっごめん小っちゃくて見えてなかったわー」
「やかましいわ！ わざとらしいねん！」
ひとらんらんが一歩ずれた先、ようやっとAの視界に映った彼は、なんと先程までずっとひとらんらんの後ろにいたらしいのだ。
とはいえ、Aからすれば突然現れたも同然。
「なぁなぁわざとやんな？ わざと俺の真ん前に立ってたやんなぁ？」
「ごめんごめん……ふふっ」
「わろてるやん！！」
Aよりは高いだろうが、ひとらんらんの背後にすっぽりと収まってしまう小柄な体躯。
怒りを露わにして突っかかる姿から推測するに、それなりに気にしているのであろうが……。
くつくつと笑うひとらんらんと、その肩をどつきながら抗議する小さな彼。
仲良いなぁ、と、置いてけぼりにされた状態でAは考えていた。
やがて一連のやり取りが終わり、ひとらんらんが改めてAを見る。
「今日は買い足しついでに、知り合いを連れてきました」
『……はぁ、そのようで』
半ば呆気にとられたまま返事をするAに、ようやく彼が顔を向けた。
「どうもー、ロボロですぅ」
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江之子(プロフ) - チトセさん» コメントありがとうございます。私も、いつまで経っても魔法の世界が好きなんですよねぇ。是非とも一緒に楽しんでください！ (2020年4月2日 23時) (
レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
チトセ(プロフ) - もちろん待ってました！この設定が好きだったので、更新ない間もこの世界を歩くことを妄想したり…。帰ってきて嬉しいです！ (2020年4月1日 11時) (レス) id: e1c495790d (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - さよさん» コメントありがとうございます。何度もとは嬉しい…。期待に沿えるよう精進します！ (2020年3月25日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 。。。さん» コメントありがとうございます。旧作から来ていただけたようで、何年もお待たせして恐縮ですが、また気長にお付き合いください！ (2020年3月25日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - 旧作何度も読み返すくらい好きだったので、新設を作ってくださってとても嬉しいです…！！これからの更新とても楽しみにしています。 (2020年3月25日 11時) (レス) id: 6370bc6004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年3月24日 21時
