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"フィリアス"のホームから徒歩で十五分、少しだけ入り組んだ、目立つとは言えない立地。
しかし彼女の営む魔石屋は、大衆的な大手ショップ程ではないにしろ、彼女の人柄とその品揃えの良さによってそこそこの評判を誇っていた。
ここを訪れるお客さんは様々で、実力ある冒険者もいれば、私生活のためのちょっとした魔法具を買い求める老夫婦もいる。
冒険者とそうでない人の割合で言えば、ちょうど五分五分だろうか。
その中でも面白いのが、近所の子供たちである。
彼らはAの元へ足繫く通うと、魔法について教えてと可愛らしくせがむのだ。
最初こそ戸惑うAだったが、今では危険にならない程度で彼らに知識を与えてやっている。
子供たちの親からも、そこいらの魔法塾より優秀だ、との評価を得ているのは彼女の与り知らぬところだが。
先生と呼ばれるのも悪くないな、と満更でもない思いなのであった。
営業日は週に四日。今日はその内の一日なので、朝から接客業に勤しんでいる。
たった今会計を終えた客が店を出て行き、小休止か、と思っていたとき、入れ違いに珍しい客がドアを開けた。
『あ……！』
「こんにちは」
『はい。いらっしゃいませ、こんにちは』
入ってくるなりAを見つけ、個性的なバツ印のマスクをずらして微笑んだ男。
常連客とは間違ってもいえない頻度ではあるが、魔石を買うならここ、と何とも嬉しいことを言ってくれた人だった。
ひとらんらん。Aは彼の名を知っている。
彼の素性だって知っている。ギルド"我々だ！"の初期から居るメンバーであり、実力者であるということ。
彼の胸元で、"我々だ！"の一員であることを示すシンボルバッジが悠然と存在を主張していた。
『今日も買い足しですか？』
「うん、いつものやつ」
『ちょっと待っててくださいね』
彼の適性は四大元素の《地》であるらしく、その延長線かは分からないが農業が趣味なんだとか。
そのためいつも《地》の魔石と、農業に使うための《水》の魔石をごっそり買っていく。商売人としては嬉しい相手だ。
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江之子(プロフ) - チトセさん» コメントありがとうございます。私も、いつまで経っても魔法の世界が好きなんですよねぇ。是非とも一緒に楽しんでください！ (2020年4月2日 23時) (
レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
チトセ(プロフ) - もちろん待ってました！この設定が好きだったので、更新ない間もこの世界を歩くことを妄想したり…。帰ってきて嬉しいです！ (2020年4月1日 11時) (レス) id: e1c495790d (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - さよさん» コメントありがとうございます。何度もとは嬉しい…。期待に沿えるよう精進します！ (2020年3月25日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 。。。さん» コメントありがとうございます。旧作から来ていただけたようで、何年もお待たせして恐縮ですが、また気長にお付き合いください！ (2020年3月25日 22時) (レス) id: 7dbb78881f (このIDを非表示/違反報告)
さよ(プロフ) - 旧作何度も読み返すくらい好きだったので、新設を作ってくださってとても嬉しいです…！！これからの更新とても楽しみにしています。 (2020年3月25日 11時) (レス) id: 6370bc6004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年3月24日 21時
