＊気になる秘密 2＊ ページ2
＊
「ヴィル爺……」
Aが目の前にいる老執事をヴィル爺と呼ぶのも可笑しな話だが、彼とは面識がある。
もちろん血族というわけではない。
ヴィルヘルム・ヴァン・アストレア。
ラインハルトの祖父である。
といってもラインハルト繋がりでヴィル爺と出会ったわけではない。
ヴィルヘルムとテレシア、そして母親の四人で何度か会ったことがあるのだ。
母親のことがあってから会うことはなかったが、クルシュのもとにいることはAも耳にしていた。
「えっと、お久しぶりです」
「元気そうで何よりです。以前のように話していただいてかまいませんよ」
距離感がわからず掠れたAの声に、ヴィルヘルムの表情は柔らかくなる。
「わかった。その、どうしたの？私を呼び止めたってことは何か用事があるの？」
父親の顔も知らないAにとって、ヴィルヘルムの存在は大きかった。
厳しく剣を教える合間に見せる笑顔が好きだった。
それでも時間が経てば、無邪気にヴィル爺と呼ぶことは気恥ずかしくなる。
「……いえ、そういうわけでは。ただ、色々とあってから会えていなかったので」
ヴィルヘルムの言う色々とは、母親のこと。
そして、テレシアのことだ。
お互いに大切な人を亡くした。
Aたちは孤独になったのだ。
「そう、だね……。なんか久しぶりにヴィル爺と会ったら手合わせしたくなっちゃった！」
暗い空気を抜け出そうと、Aは話を変える。
ヴィルヘルムと剣を交えたいことは嘘ではない。
騎士の性なのか、剣同士で戦うことは楽しい。
ロズワールとの鍛錬では難しく、模擬戦も最近は参加できていない。
Aの知っているヴィルヘルムはとても強く、いまのAでは到底敵わないだろう。
でも、だからこそ、どこまで立っていられるか試したいのだ。
ヴィルヘルムは一度私の腰に下げられた剣に視線を移してからAの目を見る。
「興味はありますがいまはそのときではありませんな」
その返答に残念だとAが伝えようとすると、エミリアとスバルの話し声が聞こえた。
「そうみたいだね。それじゃあまた今度」
またなんて曖昧な言葉だったが、次会うのはそう遠くない日のように思えた。
ヴィルヘルムも同じ思いだと言うように、頷いて竜車に戻っていく。
今度こそ屋敷に入るとレムとすれ違った。
盗み聞きはダメですよと釘を刺すレムにとって、Aの考えは浅はかだったようだ。
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零(プロフ) - 更新楽しみにしてます (2月22日 11時) (
レス) @page30 id: 679f50534d (このIDを非表示/違反報告)
綴(プロフ) - あられさん» コメントありがとうございます！サ終してしまいましたが、周りにプレイしている人はいなかったので同じ気持ちの日がいて嬉しいです。リクエストもありがとうございます！時間はかかってしまうかもしれませんが、必ず書かせていただきますのでよろしくお願いいたします！ (6月30日 19時) (レス) id: 4f48ae530b (このIDを非表示/違反報告)
あられ - 更新ありがとうございます！ 私もリゼロスは好きなキャラの色んなイラストを見ることができて嬉しかったので、サ終すごい悲しかったです。またリゼロを楽しめるゲームが出るといいですね。 番外編ですがラインハルトとの絡みが見たいです！ゆっくり待ってます！ (6月25日 1時) (レス) @page21 id: f37c856724 (このIDを非表示/違反報告)
綴(プロフ) - あられさん» コメントありがとうございます！更新を喜んでいただけて私も嬉しいです。誤字報告ありがとうございます。気づかなかったので本当にありがたいです。これからもよろしくお願い致します！ (2022年11月12日 23時) (レス) id: 8d067758b7 (このIDを非表示/違反報告)
あられ - 好きなリゼロ小説なので更新されていてとても嬉しいです！17ページですが団長が待ちくたびれているが街くたびれているになっています。これからも応援してます！ (2022年11月12日 20時) (レス) @page17 id: ac6762bdac (このIDを非表示/違反報告)
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