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ep.5 ページ7

道中、それはそれは静かだった。

私から話題を振るわけにも行かず、何かしゃべってくれないかなとチラッと横を見てみるとエレンも話題探しに苦労していたようだった。

ごめんよ、エレン君。

こんな頼ってばかりの先輩で。

心の中で謝っているとエレンが小さくあっと言ったのが聞こえた。

どうしたのかとエレンのほうを見ると、丁度エレンがこちらを見下ろしたのと同時だった。



「そういえばエミリさん、今日寝起きに天井に頭ぶつけたらしいですね。大丈夫でした?」


「え、…ああ、うん。平気」



急に目が合いドキッとした。

それで少し反応が遅れてしまった。

それと、あの時の痛みを思い出してしまいぶつけた箇所に手を当てる。

それを見たエレンが少し慌てた。



「もしかしてまだ痛みますか?」


「ううん、違うの。ありがとう」



オロオロし始めるエレンを安心させるため、私は微笑んだ。

すると「ぇ・・・」と目を見開いて固まってしまった。

まるで豆鉄砲を食らった鳩のようだ。

でも何故だ。私は安心させたくて微笑んだのに逆に驚かせてしまうなんて。


(・・・もしかしたら、この世界の私が絶対取らない言動をしてしまったのかもしれない)


やってしまった。

もうちょっと慎重にすべきだったか。

だが過ぎたことを考えていても仕方が無い。

私はこれ以上怪しまれないために話を続けることを決めた。



「でも、どこでその話を?」


あの朝、あそこにいたのは私と同室の彼女とドア越しの人物だけのはずだ。

エレンは声的にドア越しの人物ではないはずなのに。

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作者名: | 作成日時:2019年2月7日 17時

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