アンダー・スタディ【男性声優】

白瀬くんが声優になったきっかけ ページ8

［内山昂輝］
俺とAはいわゆる幼馴染だ。

ひまわりにいたけど、芸歴はAの方が長い。

モデルとして一流のAが何故声優という職を選んだのかを知っているのは、おそらく俺だけだ。


ある日のレッスンで成績上位者がとある仕事に参加させてもらえることになった。


内容は全く聞かされずにただ言われた場所へ向かう、思えばあれも試練の一つだったんだろう。


そこで俺とAは衝撃を受けた。


子役が行って務まる仕事はエキストラやCMしか経験がなく、それ以外の職業……声優という道があることを知らなかったのだから！


そこではある有名なアニメのガヤをさせてもらった。


そしてそのときにAの才能が花開いたのだ。



監督「今日は優秀な君たちに声優をしてもらう。

声優というのは、声だけで自分ではない何かになれる道だ。」


監督「じゃあまず、それぞれに要望を伝えた。

アドリブでこの尺を埋めてくれ」



A「あの、これって、全部声を変えてもいいんですか？」


「！！」


監督「ああ、もちろん。自分たちの最大限を存分に発揮してくれ」



そして、そこでAは、とんでもないことをやってのけた。



まずひとりひとり別撮りで進行し、ついにAの番。


Aは、今までの子役たちの演技の声を、完全に再現した。


俺は、鳥肌がたった。


だって、不可能じゃないか。


声真似ってレベルじゃない、録音を流してるだけじゃないかとも思った。



それから、演技をしているときのAの顔は今までで一番綺麗だった。




帰り道、Aは声優になることを決意した顔つきだった。



俺も、今日の経験で演技の楽しさ、可能性に魅せられた。



ーーーー
あの頃の監督とまた話したことがある。


一番印象に残ったのはAだけかと思っていたが、俺もそうだと言われ、とても嬉しかった。

努力が報われた気がした。





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作者


ねつ造です！！！！

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