まえぬの妹も人気声優

14話　智昭side ページ17

オペ室の赤いランプが、まだAが頑張って生きていることを知らせている。

時間がたつにつれて、焦燥感と怒りが募っていく。


階段から落ちて大怪我なんて、誰かからいきなり突き落とされたとしか思えない。



でも、いったい誰が？


あいつが何をしたっていうのだろう。









丁度アニメの収録をしていた休憩時間に、尊敬する大先輩である杉山さんから、電話がかかってきた。

仕事中に、電話というのは、余程のことだろうと慌てて電話に出る。



ーー「前野くん、Aちゃんが階段から落ちて、意識不明の重体だ。、、〜総合病院に搬送された。」


多分、そんなことを言っていたんだと思う。

ただ、そこまで聞くと、反射的に、「すぐ向かいます！」といっていて。

監督に事情を話すと有難いことに、すぐ向かわせて頂けるようになった。




そして、今、ふっとランプが消えた。


まるで錆びた蝶番(ちょうつがい)のように、ギギっと、首が動く。


医師「手術は成功しました。しかし、高いところから落下したことで、脳へのダメージが大きいかと思われます。
こればっかりは、目が覚めてみないと、、何とも言えません。」


智「、、そうですか、助けて下さり有難うございました。」




A、生きていてくれるなら、それだけでいいんだ。

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