私得な短編集[あんスタ]リクエスト募集中！！！ (ページ32)

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氷鷹北斗. 王子だって男子高校生なのでページ32

北斗サイド
北斗「なっ…A！？かわっ…どうしたんだ！？」

演劇部の部室に足を運んだ俺の目の前には
とんでもない光景があった。

クラスメイトであるAが、なんとも派手なドレスを身にまとっていたのだ。

大方あの変態仮面の仕業であろう…

フリルやリボンで飾られており、中世の姫か何かのようだ。

A「あ、ちょ、違うの、これは…」

顔を赤くして恥じらうAには悪いが、かなり可愛い。

肩の出たドレスで奴が選んだと思うと吐き気すら感じるが、いや、悪くはない。

A「っ…恥ずかしい…。日々樹先輩が着ろっていうから着たんだけど…」

何故そこで素直に着るんだ。

A「なんか、自分じゃ脱げなくて…そしたら、あの人
王子様の助けを待ちましょう⭐とか言ってどっか行っちゃったんだよ～…」

王子様？

なんだか嫌な感じがしたが、気のせいだろう。

北斗「その王子様というのは…誰かしらの男に助けてもらえという意味だろう」

A「え？王子様って北斗くんのことじゃないの？」

北斗「は？」

俺は一瞬彼女が何が言いたいのか分からなくなった。
からかっているのかと思ったがそうではないようだ。

まさか、助けてもらえるのを期待していたというんだろうか？
俺に？

A「な、なんでもない…。で、でも、助けてくれないかな、北斗くん？」

いかん、可愛い。

赤面したまま上目使いで頼まれたりなんてしたら、いよいよ理性が危うい。

北斗「助ける…というのは、脱がせる、ということか？」

あ、しまった。

A「あ、えと…そうなるの？いや、それはちょっと…」

北斗「本当にすまん、A。取り敢えず話を聞こう。どうして脱げないんだ？」

A「なんか、背中のチャックが降りなくて…ちょっと、降ろしてみてくれないかな」

北斗「！？ま、待てA。俺でいいのか？」

A「と、途中まで。何か噛んでないか確認したいだけだから」

北斗「わ、分かった…」

Aの背中に手をやる。彼女の心音が伝わる。

北斗「降ろすぞ」

…固い。布か何か噛んでいるのか。これは確かに、降ろし辛いな。
しかし、もう一度力を込めて降ろすと、チャックは勢いよく下へ行った。

勢いよく？…やってしまった。

A「あ、ちょっ、北斗くん…」

北斗「俺は何も見ていない。着替えてきてくれ」

Aはせかせかと向こうへ行ってしまった。

北斗「ふぅ…駄目だ、今日のことは忘れられそうにない」

軽いキャラ崩壊しましたな