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藤川｢…はるか？｣
冴島につけられた機械の微妙な変化から藤川は冴島に目を移す。
植物状態になる可能性もあるといわれた冴島の目がゆっくりと開かれる。
藤川｢はるか。はるか！｣
藍沢｢…ここで維持して。｣
同期が全員見守る中で冴島の検査が行われた。
藍沢｢…明らかな麻痺も、意識障害もない。｣
藤川｢…よかった。｣
藤川は涙ぐみながらこたえる。
藤川｢…よかった。｣
その様子に冴島は藤川に微笑みかける。
ピアノの音が聞こえる部屋に、名取は入っていった。
天野｢先生、本当に先生だったんだね。｣
名取は無事退院し、いつもの服に身を包んでいた。
名取｢…疑っていたんですか｣
天野｢疑ってないよ。｣
天野はまた名取に微笑みかける。
名取｢この間の…｣
天野｢ん？｣
名取｢命と、命より大切なもの。先生ならどっちを選ぶ、っていう答え。｣
天野｢なに、わざわざそのために来てくれたの？｣
名取は気まずそうに目をそらす。
天野｢答え、教えてよ。｣
その問いかけに名取は顔をあげる。
名取｢…少し趣旨はちうがうけど。俺の昔の話、聞いてくれる？｣
天野は驚きながらも再び笑顔で答えた。
天野｢いいよ。聞かせて。｣
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作者名：EMI | 作成日時：2020年4月11日 13時
